奄美でも指導する黒田さん、パッチワークキルト個展

「弥勒様の夢櫻」(1995年)の作品の前で、大島紬の魅力を話す黒田さん
新作「大島紬結晶」(186×161)が展示場入り口を飾る

和歌山城ホール展示室
ギャラリートーク「大島紬に魅せられて」も

和歌山県を拠点に大阪、金沢(石川県)、宮崎、奄美、東京でパッチワークの指導を行っている黒田街子さん(公益財団法人・日本手芸普及協会本部講師)のパッチワークキルト個展が和歌山城ホール展示室で4月28日から5月1日まで開かれた。初日は、大島紬でパッチワークキルトの作品を作り続けている黒田さんによる「大島紬に魅せられて」のギャラリートークもあり、同市内から訪れた人たちが熱心に耳を傾けていた。

同展示室には1991年から作った作品から、2023年の新作「大島紬結晶」まで2㍍×2㍍に近い大判の作品が30点以上展示。今回は奄美で指導を受けている生徒たちの作品も並んだ。

黒田さん自身の和歌山にある工房に咲く桜「弥勒様の夢櫻」の作品の前に立ち、「大島紬の魅力は二度織りにある。世界の財産だと思う。そういう島で、大島紬を形にするライセンスを取る人が誕生することは素晴らしい」と話し、大島紬のPRに務めた。

会場には、祖父母の大島紬をリメイクした洋服を着て辻廸子さん(76)も来場、「友達からぜひ、見に行ってと言われて来たが、どれもこれもすごい。生地の使い方をじっくり見た」と感激の声。また、金沢で2009年から黒田さんの指導を受けている生徒の宮腰裕子さん(59)は、「展示会の搬入から関わらせてもらっている。作品を触らせてもらったり、展示の仕方など、勉強になることばかり。本当にありがたい」と話した。