龍郷町文化財展示室 復帰70周年企画展始まる

6324人分の「日本復帰希望者署名綴」(複製)

戸口小学校拡声機設置記念写真(重田シオリさん提供)

泉芳直筆の復帰嘆願書(冒頭部分、複製)

泉芳朗の嘆願書・署名(複製)など展示

 龍郷町は24日からりゅうがく館2階の文化財展示室で「日本復帰70周年企画展~日本復帰とそれからの龍郷~」を開催している。1951年(昭和26年)から53年に撮影された写真、奄美市が所蔵している日本復帰嘆願署名簿(龍郷村分)や泉芳朗の嘆願書(いずれも複製)などが展示され、奄美群島が日本復帰に至るまでの歴史が身近に感じられる展示となっている。

 企画展は、同町教育委員会が他市町村に先駆けて行う特別展示。主な展示品は、「日本復帰希望者署名綴=つづり=(51年、龍郷村6324人分、複製)」▽53年の「泉芳朗直筆の陳情書」(複製)▽51年撮影「日本復帰を祈願する青年たち」▽53年撮影「中戸口青年団の団員たち」▽同年撮影「戸口小学校拡声機設置記念」など。

 写真は同町在住の重田シオリさんなどから提供されたものだが、「戦前戦後の写真の提供があれば、今後展示を増やしていく」(同教委・松村智行学芸員)考えだという。

 碇山和宏教育長は「奄美に赴任してきた教職員には率先して学んでほしい。復帰に懸けた先人たちの思いを、子どもたちにつないでもらいたい」と、授業に生かしてほしいとの思いを語った。

 このほか、「日本復帰と龍郷のあゆみ」として、復帰運動や復帰後の龍郷村(町)発展の様子などがパネル展示されている。

 企画展は12月28日まで。午前9時から午後5時まで。入館料=大人300円、小中学生100円。