ロードキル防護柵の劣化目立つ

奄美群島自然共生プランに基づいた取り組みなどが報告された同プラン推進本部

ガイドの質向上目指し育成研修推進
各種協

 奄美群島12市町村の首長らで構成する各種協議会は24日、奄美市名瀬の市民交流センターで奄美群島自然共生プラン推進本部会議などを行い、3日間の全日程を終えた。同会議では、環境保全のための取り組みなどについて意見交換があり、アマミノクロウサギのロードキル対策として大和村などが村道沿いなどに設置している防護柵用のネットについて、設置から数年が経過し穴が開くなど劣化が目立つようになっており、新たな対策の必要性が指摘された。

 【奄美群島自然共生プラン推進本部】(会長・安田壮平奄美群島広域事務組合管理者)同自然共生プランに基づいた2022年度事業を、県と奄美群島広域事務組合が説明。群島全体で取り組む九つの施策に対応した取り組み状況を報告した。

 主な県の事業としては、▽昨年10月にリニューアルオープンした「奄美自然観察の森」(龍郷町)の再整備▽喜界島と沖永良部時で行ったサンゴ礁文化を活用した持続可能な地域づくり▽アマミノクロウサギのロードキル対策のための防護柵設置―など。

 広域事務組合の事業では、世界自然遺産基金を活用した「こども環境学習助成事業」を群島内5町で計8回実施。エコツーリズムの推進では、質の高いエコツアーガイドの養成を目的とした育成研修事業を実施したほか、エコツアーガイド認定講習会を群島各地で行い、これまでに161人が認定を受けた。

 意見交換では、海岸の磯焼け問題について対策や支援が求められ、今後、県や環境省などと情報共有などを図ることなどを確認した。

 【奄美群島エコツーリズム推進協議会】(会長・安田壮平奄美群島広域事務組合管理者)22年度の推進事業について報告があった。

 23年度は、群島の自然文化に深い知識を有し、来訪者に安全で質の高い体験を提供するためガイド育成の「初期段階育成研修事業」を引き続き実施する。今年度は115人が研修に臨む。

 1年以上の活動実績を有する「奄美群島認定エコツアーガイド」については、新たに14人を認定。群島内の認定ガイド累計は3月末現在、161人になった。