「地域のコミュニケーション大切に」

戸口小学校で奄美豪雨災害などについて講話する、麓憲吾さん

麓さん、戸口小で奄美豪雨講話

龍郷町の戸口小学校(森智子校長、児童35人)は23日、3~6年生21人と保護者、教職員を対象に、家庭教育学級「奄美豪雨災害について」を行った。講師に内閣府地域活性化伝道師でNPO法人ディ!の理事長、麓憲吾さん(51)を講師に招き、2010年10月の奄美豪雨災害の様子やあまみエフエムの取り組みなどの講話に耳を傾け、自然災害の恐ろしさ、災害への備えや普段からの地域のコミュニケーションの大切さについて学んだ。 

講話では、コミュティエフエムとして奄美豪雨災害時の取り組みなどを、当時の写真や動画を交えて説明。児童たちは、水没した集落や決壊した道路の写真が映し出されると、「ウワー」「やばい」など、生まれる前に起こった災害の状況に声を上げた。

麓さんは、当時は固定電話も携帯電話も不通になり、通信手段はラジオだけで、スタッフが不眠不休で放送を続けたと説明。正確な情報を伝えるとともに、住民ができるだけ安心できるよう、以前取材した児童、生徒の歌声や名物おばぁの声なども放送したと、当時の苦労を話した。

災害への備えについては、避難場所や連絡手段など普段から家族での話し合いや地域のコミュニケーションの大切さを訴えた。講話を終えた麓さんは「自然の豊かさがある半面、災害も起こり得る。自然に対する畏敬の念を知るとともに、集落に暮らす幸福感を感じてほしい」と語った。

児童代表の嘉藤竜真君は「豪雨災害のことを初めて知った。たくさんの人が困っている人のために努力したことを知り、災害時など人助けができるようになりたい」とお礼を述べた。