大和村今里小 スモモ収穫、初体験

大和村の特産果樹・スモモの収穫を体験した今里小。味わうこともでき、児童・保護者とも笑顔を見せた

「甘酸っぱくておいしい」
産業学ぶ郷土教育にも

 大和村の今里小学校(中村利之校長、児童数5人)は27日、児童のほか教職員、保護者も参加しスモモ収穫体験をした。最大の産地である同村の特産果樹だが、今里集落では栽培が行われておらず、子どもたちは初めての体験。深紅に色づいた果実をその場で味わい、「甘酸っぱくておいしい」と笑顔があふれていた。

 受け入れたのは同村毛陣=けじん=地区に果樹園を所有する溜=たまり=一郎さん(60)。村営スクールバスの運転手をしており、子どもたちとは日頃から触れ合っている。昨年の収穫期には大玉サイズのスモモを学校にプレゼントしたが、実際に栽培状況を見てもらい作業も体験してもらおうと中村校長に声を掛けたところ、休日にもかかわらず児童全員、保護者も参加を希望したという。

 果樹園では最初に溜さんが収穫の仕方を説明、果実をひねると子どもたちでも簡単にとれることを伝えた。稲作が行われていた棚田跡の果樹園は段差があるため、子どもたちは農業用運搬車に乗り上部へ移動。溜さんが準備したバケツを手に、傾斜地のため足元に注意しながら親子で収穫作業を体験。梅雨に入っており雨天が心配されたが、曇り空でも降雨はなく安全に収穫をこなした。

 草刈りなどの管理作業を徹底することで、溜さんは無農薬栽培にこだわっている。「無農薬だから安心して食べて」と溜さんが話すと、参加者はもぎたてを味わっていた。5年生の福永海斗君は「収穫作業も、その場で味わったことも初めて。簡単にとれた」と話した。中村校長は「村を代表する産業のスモモだが、校区内では栽培が行われていない。じかに栽培状況を見て学び収穫を体験し、さらに味わうことができたきょうの経験は、児童にとって貴重な郷土教育になった」と語り、体験学習の場を提供した溜さんに感謝していた。