4年ぶり〝自粛の殻〟破り 天城町松原上区

〝自粛の殻〟を突き破って4年ぶり復活した松原上区の「豊年祭」=28日、天城町

豊年祭パレードで活気

 【徳之島】コロナ禍で中止されてきた天城町松原上区集落(福和輝区長、110世帯・約280人) の伝統行事「豊年祭」が28日、4年ぶりに復活した。威勢のいい大人みこしや子どもみこし、踊り連などが集落を練り歩き、農作物の豊作や無病息災を祈願。〝自粛の殻〟を破って活気に包まれた。

 松原上区はサトウキビやバレイショ、マンゴー、肉用牛生産(繁殖)などが盛んな典型的な農村集落。五穀豊穣(ほうじょう)祈願に根差した同祭は、「ハマウリ(浜下り)」や合同敬老会とともに住民たちの絆、ユイの精神も育み合う3大行事の一つだが、新型コロナウイルス対策で3年間の中止を余儀なくされてきた。

 パレードは同集落公民館を発着点にあった。青年団や子ども会育成会、長寿会、女性団体などの関係者約50人が参加して、「花の徳之島」や「ワイド節」など軽快なご当地ソングと太鼓を響かせた「花車」の先導で出発。集落の3小組合(小松原・屋穂・仲間)の各要所では踊りの輪も広げ、約2時間にわたって練り歩いた。住民たちは飲み物やお菓子などで一行をもてなした。

 昨年選任された福区長(61)は「行事ができずやきもきしていたが、コロナ収束の兆しで今年こそはと(復活を)計画。住民も待ち望んでいたと思う。祭りで盛り立てて本来の縦横のつながりを取り戻したい」と話し、元JAマンらしく「豊年祭を機に農業生産に励んでいただき良い年にできればと思う」とも。

 子どもみこしで張り切っていた1人・宮山渚君(岡前小6年生)も「お祭りは集落のみんなが元気になり、友達にもなれる。お祭りはみんなで守り続けて欲しいです」とニッコリ。

 パレード後は同公民館での集落総会、豊年祭・総会祝賀会へと交流が膨れ上がった。

 同町内では同日、各集落単位で類似の祭りを復活させたという。