「奄美の黒うさぎコンサート」第2弾

主演者全員での「六調」に盛り上がるホール(円内はロビーで写真に見入る来場者)

「奄美の文化」表現、盛んな拍手
復帰70周年も祝う

 【東京】奄美の黒うさぎ実行委員会(委員長・東京奄美会井上脩士会長)がこのほど、神奈川県川崎市の多摩市民館大ホールで「奄美の黒うさぎコンサート」の第2弾を開いた。奄美ゆかりの出演者たちが「奄美の文化」を表現、盛んな拍手を浴びていた。

 「祝・奄美群島日本復帰70周年」と副題の付いた同コンサートは奄美の魅力を首都圏で広くアピールするのが目的。会場には約500人の来場者が詰め掛け、熱いステージを見守った。

 朝崎郁恵さんはタナカアツシさんのサンシンで「おぼくり~ええうみ」などを熱唱した。萩原かおりさん、平田輝さんは、それぞれソロでも登場したほか、御茶ノ水マンドリン倶楽部と共演。奄美ゆかりの作曲家・故渡久地政信氏らの懐かしいメロディーや、古賀政男氏の名曲を歌い、盛んな拍手を浴びていた。平田まりなさんは、吉井盛悟さんの大迫力の太鼓に乗せて、シマ唄の新しい試みを披露していた。伊是名の会は、華麗な踊りで島の空気を送り込んでいた。

 最後は出演者全員による「六調」がホール全体を包み込み、観客も一体となってコンサートを堪能していた。千葉・船橋市から叔父の福山昭雄さん(さいたま市在住=80代)とやって来た、加納冨喜子さん(73)は「母親が久慈(瀬戸内町)の出身でしたから、ルリカケス(平田輝さん披露)に涙が止まらなかった。1時間50分かけて来たかいがありました。プロの歌声に大感動です」と言葉を震わせていた。福山さんも「大太鼓もすごかった。めいと初めて来たが、最高でした」と満足気に会場をあとにしていた。

 この日、同ホールロビーでは70年前の写真が展示された。またパンフレットには、B円や復帰に向けた群島の歩みなどが紹介され、興味を引いていた。