瀬戸内町森林組合が解散方針

今秋の解散方針を示した23年度事業計画などを承認した瀬戸内町森林組合の通常総会

職員不在で事業継続困難 22年度決算、1323万円の赤字
今秋の臨時総会で決議 通常総会

 瀬戸内町森林組合(久保成雄組合長、正組合員270人)は27日、同町のせとうち物産館で第67回通常総会(出席12人、書面議決140人)を開き、2022年度事業報告と23年度事業計画など6議案を承認した。総会では、22年度決算が1323万円の赤字となることを報告。組合の主要事業である複層林改良事業(間伐)を担当する職員の退職など、組合の存続が難しい現状が示され、「組合の解散を決議すべく臨時総会を秋頃までに開催する」とした23年度事業計画を賛成多数で可決した。出席者からは、解散を前提とした事業計画の見直しを求める意見もあり、議案の採決前に退席する組合員もいた。

 同組合では、間伐事業を担っていた職員が昨年10月末に退職したため、22年度に予定していた間伐145㌶のうち、約21㌶のみの実施にとどまり、大幅な収益減となった。組合では欠員となった1人を補充するためハローワークなどへの求人募集も行ったが、人材不足や就労条件などにより、採用の目途が立たない状況が続いている。

 こうした現状から同組合は、「23年度の事業実施は困難」とし、「これ以上赤字が続くより、出資金が返金できる体力が残っているうちに解散することが最良の方法」などと説明、組合員らに理解を求めた。

 同組合では昨年5月の通常総会でも、職員の欠員が続いていることから存続が危ぶまれていることが報告された。この時は、総会直前に職員採用の目途が立ったため、解散について議論されることはなかったが、その後、採用された職員がわずか4カ月で退職したため、改めて理事会で解散について協議を続けてきた。

 同組合によると、事業継続には少なくとも「間伐のための測量と県や町への補助申請などの事務手続きができる職員2人が必要」(組合担当者)と言う。一方、測量や伐採などの作業は「体力的にきつく、ハブ咬傷の危険性もあることからなり手がいない」(同)のが現状と言う。

 出席した組合員からは、組合の現状に理解を示しつつも、理事会だけで解散の方針を決めた経緯などについて説明が求められたほか、「解散を前提とした23年度事業計画には賛成できない」など、解散以外の方策について、組合員を含め広く議論する場を設けるよう求める意見があがった。