親子で学ぶワークショップ

親子でワークショップを通し沖縄の自然を学んだ(28日、奄美博物館)

似て非なるやんばるの自然
奄美博物館 トートバッグ作りに挑戦

 沖縄県沖縄市の児童厚生施設、沖縄こどもの国と奄美市名瀬の奄美市立奄美博物館は28日、奄美と沖縄島北部(やんばる)の自然を学ぶワークショップ(WS)「ヤンバルクイナと沖縄の動物園」を同博物館で開いた。同施設動物園の飼育員、中村智映=ともあき=さん(42)が講演したほか、押し葉などを用いてデザインするトートバッグ作りに挑戦。参加した親子17人は奄美とは似て非なる「沖縄の自然」を楽しみながら学んだ。

 WSは、世界自然遺産登録された奄美・沖縄両地域の自然を学ぶことが目的。(公財)自然保護助成基金による、2023年度沖縄こどもの国事業の一環で開催された。

 ヤンバルクイナは、沖縄島北部にのみに生息する固有種。ほとんど飛ぶことができず、発達した足で動き回ることが特徴。環境省レッドリスト絶滅危惧IA類。全長約35㌢。

 講演では、飼育するヤンバルクイナを中心に、奄美には生息しないオキナワカブト、ナミエガエルなど固有種を紹介。中村さんは、中琉球である奄美と沖縄島の似て非なる、多種多様な生き物たちを分かりやすく伝えた。
 トートバッグ作りは、ヤンバルクイナをかたどったスタンプやタマシダ、トベラなどの「葉脈」でデザイン。子どもたちは、クレヨンで絵を描くなど、親子で制作を楽しんでいる様子だった。

 川上千慧=ちさと=さん(8)は母の奈穂子さん(44)、姉の瑞葉さん(10)と奄美市名瀬から参加。「野生のヤンバルクイナがカタツムリを食べるなど、知らないことを学んだ。トートバッグ作りも楽しかった」と笑顔で話した。

 次回6月、沖縄こどもの国に奄美博物館が出向き、ルリカケスなど奄美の鳥を紹介するWSを予定している。