「木工工芸 みどりの里」に決定

倉庫扉に描かれたケンムンの絵と描いた大島高校美術部の生徒たち

「木工工芸 みどりの里」の新名称決定を祝いテープカットする安田市長(左から2人目)と里社長(同3人目)

住用町の施設奄美市ネーミングライツ
大高美術部のケンムン画もお披露目

 奄美市住用町摺勝の市木工工芸センターのネーミングライツ(命名権)お披露目セレモニーが29日、同地であり、同市初のネーミングライツによる新名称が「木工工芸 みどりの里」に決まったことが報告された。施設前で行われたセレモニーには、安田壮平市長と命名権を購入した「㈱グリーンストア」(奄美市名瀬)の里綾子社長(45)らが出席、テープカットで新名称の決定を祝った。セレモニー後には、同施設に隣接する倉庫の扉に大島高校美術部の生徒が描いた「ケンムン」の絵のお披露目もあり、同部に安田市長から感謝状が贈られた。

 ネーミングライツは、所有者が施設の愛称を付ける権利を企業などに付与、使用料を施設の管理・運営に充てる財源などとすることで、市民サービスの向上などにつなげることを目的としている。

 同市は今年1~2月、市内20施設を対象に「ネーミングライツ」を公募。同社は2026年3月末まで約3年間の同センターの命名権使用料を36万円で購入した。市内ではこのほか、同市名瀬の奄美振興会館(奄美文化センター)と名瀬運動公園市民球場、市民交流センターの命名権の購入企業も決定しており、6月中に同様のお披露目セレモニーを開催、新名称が公表される。

 セレモニーで安田市長は「施設が、住用地区における森林資源を生かした地域振興の拠点として、より一層住民に親しまれることを期待している」などとあいさつ。里社長も「奄美の自然、木をより身近に感じてもらえる施設として、気軽に利用してもらいたい」などと述べ、同市初のネーミングライツによる新名称決定を喜んだ。

 同施設は、森林資源を生かした地域産業の振興を図ることを目的に1990年度に整備され、2015年度から同社が指定管理者として管理運営。地場産材を活用した木工工芸品の販売や商品開発などのほか、木工体験なども行っている。

 同施設に隣接する倉庫の扉の絵は、大島高校美術部の2、3年生部員5人が今年1~3月にかけ、延べ30日ほどかけて描いた。奄美に伝わる妖怪「ケンムン」と若者が相撲をしている様子が描かれており、部長の當田青波さん(17)は、「見た人が楽しい気持ちになってくれたらうれしい」と話した。

 市によると、ネーミングライツ使用料の最高額は奄美振興会館の140万円で、次いで市民交流センターの101万円などとなっている。名瀬運動公園陸上競技場(希望使用料75万円)など命名権の使用権者が決定していない16施設については、引き続き命名権の公募を行っている。