看護福祉専が関係者会議

関係者が一堂に会した「定住を促す集い」=市民交流センター

学科新設提案も
定住促す集い

 奄美看護福祉専門学校(向井奉文校長、学生155人)は29日、市民交流センターで「島内の若者の定住を促す集い」を開いた。同市関係者、島内高校関係者など34人が参加、定住人口を増やすための方策、人材不足の著しい介護・保育などの問題について意見交換した。

 向井校長は「1995年、島の若者が島で就職することを目的に設立した。2074人が卒業し700人以上が島内に定住するという大きな業績を残した。この流れを更に強化促進したい」と抱負を述べた。

 安田壮平奄美市長は同校の果たす役割を高く評価した上で、「進学・定住のため授業料の一部免除などさまざまな施策を講じている」と述べた。

 島内の高校の進路指導などの担当者に向けて学校概要・学科説明なども行われた。卒業生らは、ボランティア活動や地域行事への参加など学校生活を紹介した。

 こども・かいご福祉学科の入学者が2021年=8人、22年=22人、23年=15人と定員(40人)を大きく下回る窮状が続いている実態が説明され、解決のための意見交換が行われた。

 寺師敬子副校長が「体験入学や九州各高校の学校訪問も重ねたが希望者増に結び付かない」と切実な思いを吐露。「就職率が100%であることを各高校でアピールしたい」と述べた。

 大島高校進路担当者から「給付型奨学金の創設もあり、経済的理由で進学を断念する例は見受けられない。旧来の奨学金制度を利用した人を対象に、返済免除を前提とした仕組みを導入すれば、Uターンのきっかけになるかもしれない」と議会への要望がされた。

 西公郎同市議会議長は「他自治体でそうした制度があるのは承知している。財源の問題があるので提案を預かる」と答えるにとどめた。

 奄美中央ロータリークラブ、上堀内ちあきさんは「(介護・保育などと同様)ホテルなども人手不足が恒常化している。ホテル学科、芸術学科など新設を考えては」と提案した。

 議論は尽きず2時間に及び、今後も同様の会議を重ねていく方向性が示され閉会した。