若者への文化伝承へまずはスマホ教室から

スマホの使い方を教える里山明子デジタル部長(右)(提供写真)

「顔見知りだと助かる」
瀬戸内町・勝浦集落

 瀬戸内町勝浦集落デジタル部(里山明子部長)は5月30日、同集落集会場で、NPO法人「HOME TOWN」(盛賢明代表理事、会員数10人、同町大湊)と共催でシニア向けのスマートフォン教室を開いた。60歳代から70歳代の住民10人が参加し、電話帳の登録や音声入力での検索方法などを学んだ。

 HOME TOWNは2022年、「自分の街を(若者の力で)責任を持って盛り上げていく」ことを目的に設立。会員は20歳代後半から30歳代で構成。少子高齢化に対応した集落支援サービスなどに取り組んでいる。

 同集落デジタル部は里山純高区長(44)の発案で組織化されたばかり。高齢化が進むなか、コミュニケーション方法の格差を埋める第一歩として同教室の開催に至った。

 HOME TOWNのメンバーは、電源のON・OFFの方法から教え始めた。その後、マナー・機内モードへの切り替え、LINEのバーコードでの友達追加など約1時間かけて基本操作を教えた。 タップ、スワイプ、アプリなどの用語を知らない参加者もいたという。

 参加した渡辺順子さん(75)は「スマホについては尋ねづらいので、顔を知っている人に教えてもらえると助かる。またやってほしい」と話した。

 デジタル部副部長の渡太郎さん(43)は「集落の八月踊りなどの行事など年配者は知っているが、若い世代やIターン者は知らないことが多い。録画・録音しスマホを使って共有したい。伝統文化の継承につなげる一歩だと考えている」と語った。

 盛代表理事は「防災の面からも、集落がLINEでつながっていれば安否確認も容易になる」「今回はテストケースとして実施したが、ほかの集落でも要望があれば申し出てほしい」と語った。