徳之島愛ランドクリーンセンター設置20年

稼働開始から20年経た焼却炉の延命化基幹改良工事に着手する徳之島愛ランドクリーンセンター(伊仙町目手久)

焼却炉1基 長寿命化へ
広域連合議会 工事契約案を可決

【徳之島】徳之島愛ランド広域連合議会(10議員)は4日、臨時会を開き、徳之島愛ランドクリーンセンター(伊仙町目手久)の基幹的整備改良工事請負契約案1件を全会一致で可決した。稼働から20年を経て老朽化した2基の焼却炉のうち1基を長寿命化。2035(令和17)年度稼働を目指す次期新設クリーンセンター(天城町内)へつなぐ計画だ。

臨時会は天城町役場(町議会本会議室)であった。森田弘光連合長(天城町長)の提案説明によると、5月8日に随意契約(仮契約)を結んだ。契約相手方は、三菱重工パワーインダストリー㈱(本社・横浜市中央区、小川正貴営業サービス部長)、契約額は29億375万8千円。議員全員協議会(10人)での事前説明・質疑もあったため「異議なし」で可決した。

広域連合事務局によると工期は25年3月21日まで。基幹改良工事の概要は、2基の焼却炉(1炉あたり処理能力19㌧=8時間)のうち2号炉を対象に、省エネ性向上(CO2削減)など延命化基幹改良を実施する。具体的には、燃焼改良やプラント設備機器の延命化、機能回復などと併せて、電気計装(非常用発電・制御盤など)や建築設備(工場棟屋根の防水・外壁塗装など)も整備するもの。

1社との「随意契約」理由は、既設プラントにも携わった基礎技術面の継続性を挙げる。1号炉(一部改良済み)については「予備炉」として温存する。

同広域連合は今後の取り組みとして、▽2年間の改良工事期間中にCO2の3%削減を推進する▽新施設開設(約10年後天城町内)に向け、24年頃から最終処分場の建設▽天城町は整備予定地(同町旧クリーンセンター跡地一帯)の地質調査▽(3町排出の)ごみ2千㌧削減に島民一丸で取り組む(23年度施政方針)―などを掲げている。