名瀬朝日町で「野良猫モニタリング調査」

調査はすき間をのぞき込むように進められた
左耳がカットされたTNR済みの猫

TNR済み6匹確認
〝外ネコ・外飼い〟痕跡も

奄美ネコ問題ネットワーク=ACN(久野優子会長)は4日、奄美市名瀬朝日町自治会(髙司雄二会長、312世帯・609人)との協働で、同町内全域の「野良猫モニタリング調査」を実施した。41人が参加。猫の潜んでいそうな草むらや物陰までのぞき込みながらくまなく探し、6匹の〝外ネコ〟を確認した。

調査は2019年に始まり、20年からは同市の「野良猫モニタリング事業」としてACNが業務委託を受け行っている。ACNは奄美猫部、奄美野鳥の会、奄美哺乳類研究会の会員有志で構成。今回は奄美猫部が調査の中心となった。

調査には、大島高校の生徒17人もボランティアで参加。先頭の奄美猫部サポーターらがゆっくり歩きながら猫を探すのに続き、カメラでの撮影、発見場所を地図に書き込むなどの役割を担った。

ある駐車場の一部には、段ボールに新聞紙やバスタオルを敷いた「猫の家」や、餌を与えるための皿も置かれるなど〝外飼い〟の光景も見受けられた。

約40分かけ町内全域を調査、写真で猫の種類や耳がカットされているかどうかを確認した。6匹すべてがTNR(捕獲し避妊・去勢された猫)済みの外ネコだった。調査データは同市環境対策課と共有され、野良猫が確認された場合TNRが実施される。

奄美市住用町役勝から参加した同校2年・菊野夏音さん(16)は「最近は集落でも外で猫を見かけなくなった。野生化して(希少動物に)被害が出ることもあるので、こうした活動を続けていることを広く知ってほしい」と話した。

調査は、短期間に複数回の定点観測が必要なため11日も行われる。次回は自衛隊員らも参加するという。同市名瀬和光町や仲勝町での実施も予定している。

久野会長は「今回はすべてTNR済みだったが、油断できない。かつては40匹の多頭飼育の家と交渉を重ねたこともある」と次回以降の調査に意気込みを見せた。