奄美市総合計画審議会

最上位計画策定に向けた意見集約を諮問した安田壮平市長(左)

 

最上位計画策定へ諮問
委員15人中女性8人
市民代表ら幅広く意見集約

 

 奄美市の新たな最上位計画について議論する市総合計画審議会(惠上イサ子会長、委員15人)の初会合が5日、同市名瀬の市民交流センターであった。安田壮平市長が委員に委嘱状を交付、惠上会長に最上位計画策定に向け審議会に意見の取りまとめを諮問した。審議会では来年2月の計画策定に向け、計3回の会合を開き、2020年度末に期限切れとなった同市の第1次総合計画(11年から10年間)に継ぐ市の最上位計画の在り方などについて議論する。

 最上位計画は、市の将来にわたる政策の方向性などを示すもの。これまでの最上位計画だった第1次総合計画は20年度に期限を迎えていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による社会経済の混乱などの理由から策定作業を先延ばししていた。

 安田市長は諮問にあたり「将来にわたり持続的な社会構築に向けた施策・事業の指針となる最上位計画の策定が必要」などとし、審議会に多様な視点から議論し、意見を取りまとめることなどを求めた。

 委員は公共団体の代表や有識者、市民代表の女性8人、男性7人で構成。環境、福祉、子育て、農業、商工業、観光などさまざまな分野の識者らも名を連ねている。年代別では30歳代、40歳代、50歳代がそれぞれ4人、60歳代2人、70歳代1人で、平均年齢は50・9歳。

 新たに策定する計画の方向性について会合では▽シンプルで分かりやすい▽重要な課題は「人口減少」「労働力不足」「少子化対策」▽「時代が変わっても残していくもの」と「時代に合わせ変えていくもの」―の3点が委員の共通意見であることが示された。

 また、目指す将来像を明確化するため、総合計画同様に市の上位計画である「奄美市『攻め』の総合戦略2020」(24年度までの5か年計画)で定めた「しあわせの島」を基に将来像を検討することなどを確認。行政の事業、施策をまとめるだけでなく、市民や企業と行政が一体となって将来の目指す方向性を示していく。

 会合では委員から、外貨を稼ぐ視点や子育て環境の充実、環境教育の推進、自然環境を生かした観光振興などを求める意見が多く出た。惠上会長は「計画は奄美の将来を担う人づくりの基本となるもの。生まれ育った島を誇りに思える子どもたちを育てる指針にしていきたい」などと述べた。

 次回の審議会は9月頃に開催予定で、委員らの意見などを基に、事務局(市企画調整課)がまとめた骨子案が示される見込み。計画策定に向けては、審議会のほか、分野ごとの意見などを集約する策定委員会での議論も並行して行っていく。