ハワイ語が復活するまでの取り組みを聞いた参加者ら(和泊町)
ハワイ語はどうやって復活したのか?
方言継承へ具体策考える
【沖永良部】「島ムニ」情報交換会が4日、和泊町中央公民館会議室であった。ハワイ大学ヒロ校所属で国立国語研究所外来研究員の大原由美子さんが「ハワイ語をどのように取り戻してきたか」をテーマに講演。参加者は沖永良部島の方言を残すための具体的な方法を考えた。
和泊町島ムニ継承推進協議会が主催。田中美保子会長は「ハワイの取り組みを聞き、島ムニの継承活動の力にしたい」とあいさつした。
ハワイ語は、1898年に米国に併合されると使用を禁止され衰退。代わりに英語が公用語となったが、1970年代から始まるハワイ文化の復興運動により、78年にハワイ語を公用語として認め、83年にはハワイ語を用いて教育する学校がつくられた。
講演した大原さんは「ハワイ語は言語復興の数少ない成功例の一つ」と述べ、ハワイ語での教育は「ハワイアンとしてのアイデンティティーを強くする」と説明。現在では保育園から大学の博士課程までをハワイ語で教育する体制が整っているとし、課題としては教員の不足などを挙げた。
続いて南山大学の岩﨑典子さんは、島ムニの継承に向けて、欧州で外国語学習者の習得状況を示す指標として使われている「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の活用を提案した。
和泊町立大城小学校で実施している島ムニ教室の取り組みについての紹介もあった。
参加した女性は「島ムニをハワイ語のように残せるかどうか不安。現実に合った方法で、できることをしながら進めていく必要がある」と話した。