徳之島町文化会館でシマ唄コンサート「つなぐ」

幅広い世代が出演した「シマ唄コンサート『つなぐ』」(オープニング)=9日、徳之島町文化会館
                ゲストライブで魅了した前山真吾さん

幅広い世代が競演
ゲストに前山さん(奄美市)

【徳之島】徳之島町文化会館主催のシマ唄コンサート「つなぐ」が9日夜、同会館ホール(同町亀津)であった。若手唄者の前山真吾さん(40)=奄美市=をゲストに迎え、島唄・三味線教室のちびっ子唄者たちから上は80代の大ベテランまで10組が出演。コロナ禍を越えて心をつなぐ島唄のステージで観客約350人を魅了した。

主催側の実島一仁館長はあいさつで「コロナ禍で芸術文化のない生活を経験したが、文化会館のイベントも戻りつつある。来年の開館30周年に向けたいろんな計画も楽しんで欲しい」ともアピール。

舞台発表は、2022年度民謡民舞少年少女全国大会・中学生の部日本一(現在徳之島高1年生・峰岡歩嬉さん)などを輩出している「奄美芸能徳之島会」の児童生徒たちがオープニングステージを担当。伝統歌謡を未来へつなぐはつらつとした歌声で「朝花」「行きゅんにゃ加那」「ワイド節」など練習の成果を披露し、称賛の拍手を浴びた。

ゲストの前山さんは11年に奄美民謡大賞を受賞、国内外のステージも体験して島唄の魅力を発信し、18年の大河ドラマ「西郷どん~島編~」では劇中歌も担当した。ケアマネージャーで福祉分野に貢献しながら演奏活動を継続。

5年ぶりとなった徳之島ライブでは、若人らへの底辺拡大を訴えるなどトークも交え、「徳之島一切節」や「徳之島節」など計6曲で魅了した。

そして第42回奄美民謡大賞本選(24日、奄美市)出場が決まっている8人がそれぞれの持ち味で競演した。

観客の1人(50代女性)は「子どもたちの歌声に癒され、次世代へつなぐというテーマが体感できた。前山さんの島唄と先人に対するリスペクト(尊敬)、そこからくる島唄の背景の解説にも心を打たれた。徳之島由来の島唄が聴けたのも価値があった」と話していた。