昔ながらの塩作り体験

塩作りを体験する児童ら=知名町=

 

 

「しょっぱい」「味が濃い」
知名町住吉小の5、6年生

 

 【沖永良部】知名町立住吉小学校(牧口廣久校長、児童数47人)の5、6年生21人が10日、同町正名集落の西ムドゥル海岸で昔ながらの塩作りを体験した。児童らは出来上がった塩を使い、塩おにぎりにして味わった。

 体験学習の一環で初めて開催。この海岸では、終戦後の1954(昭和29)年頃まで盛んに塩作りが行われていたという。集落の住民有志が塩作りの歴史を後世に残したいと、昨年、海岸に記念碑を建立した。

 この日は、塩作り実行委員会のメンバーや保護者ら約10人が事前に集まり、波打ち際の潮だまりから海水をくみ上げて準備した。

 体験学習では、塩作りの経験がある南哲次郎さん(87)と村上清さん(84)が講話。南さんは「母親とこの場所に寝泊まりして塩を作った」などと説明。村上さんは、塩分濃度を高めるために海水を岩に打ち付ける様子を実演した。

 児童らは、大鍋に入れた海水を煮詰める作業を体験。海水約60㍑を2時間ほど煮詰めると、鍋の底に真っ白な塩の結晶が現れた。出来たばかりの塩をなめた子どもたちは「しょっぱい」「味が濃い」と声を上げた。

 このほか、南さんらに案内されて海水をくみ上げる場所も確認した。

 塩は、飯ごうで炊いたお米で塩おにぎりにして参加者に振る舞われ、余った分は持ち帰った。

 子どもたちが作ったおにぎりを食べた南さんは「おいしい塩ができた。かめばかむほど味が出てくる」と笑顔。

 6年生の中野零王さん(11)は「塩作りの大変さが分かった。家で使っている塩より粒が大きかったし、しょっぱさより辛い感じがした」と話した。