才納さん(奄美市出身)へ紺綬褒章

安田市長(左)から紺綬褒章を受け取った才納さん

 

 

古里への多額の寄付を顕彰
安田市長、鹿児島市で伝達
「長生きしてよかった」

 

 

 【鹿児島】鹿児島市在住で奄美市出身の才納壽二さん(88)に国から紺綬褒章が授与され、11日は鹿児島市の市町村自治会館で伝達式があった。

 紺綬褒章は公益のために私財を寄付した個人(500万円以上)や法人(1千万円以上)が対象。才納さんは鹿児島市内で50年以上、婦人服や大島紬の販売店を経営。2012年に店を整理して以降私財の中から、大和村へ19年にマイクロバスと福祉車両(1千万円)、奄美市へ19年と20年に福祉車両と消防指揮車(1千万円)、22年に高規格救急車(1千万円)を寄付したことなどが評価された。

 伝達式では奄美市の安田壮平市長からメダルと賞状が手渡された。安田市長は「頂いた福祉車両、指揮車、救急車ともありがたく活用させていただいている。故郷を離れて70年以上たっても変わらぬ愛郷心を抱いていることに頭が下がる。郷里の後輩として誇りに思う」と才納さんの受章をたたえた。

 才納さんは奄美を離れて70年以上になる。「ずっと奄美に帰って暮らしたいと思っていたが、かなわなかった。古里のために形になるものを贈って貢献したかった」と話し、記念のメダルと大きな賞状の重みを感じながら

「長生きして良かった。私の方が奄美にお礼を言いたいぐらい」と喜びを語っていた。