瀬戸内町で収穫式

ルビー色に熟したパッションフルーツを手に園主の桐山さん(左)と有田会長

パッション、シーズン到来
例年並みの40㌧糖度高く、規格・外観も良好

皇室献上品として知られる瀬戸内町の初夏の味覚・パッションフルーツの収穫式(瀬戸内パッションブランド産地協議会主催)が12日、同町嘉鉄の果樹園であった。生産者や町、関係者ら約30人が出席。生産者らは、収穫期を迎えたルビー色に熟した果実を摘み取り、今後の品質向上や生産拡大を誓った。

今期の栽培面積は2・6㌶。生産量は前期比0・4㌧増の40・6㌧を見込んでいる。

今期は平年並みの着果量も、気象条件に恵まれ、サイズは大きめで規格・外観ともに良好に推移。同協議会の有田修一会長(66)は「色ツヤがありLサイズが多め。糖度が高く、甘くて出来はいい」と評価している。

式は、2019年に東京からIターン就農した桐山総さん(54)の果樹園で行われ、試食や見学などでにぎわった。新たに完成した3棟のビニールハウス(4㌃)で初収穫したパッションフルーツを振る舞った桐山さんは「初めてで土壌も良く、例年で一番の甘さ。まずは両親に届けたい」と笑顔で話した。

収穫のピークは20日頃から2週間程度。作業は7月末頃まで続く見込みだという。

町農林課によると、同町は奄美市に次ぐ県内2番目の産地で、現在は26人の生産者が栽培に取り組んでいる。17年には「瀬戸内パッション」で商標を取得し、10年連続で「かごしま農林水産物認証制度」(K―GAP)の認証も受けた。皇室献上品は16日発送予定で、知事にも届ける予定だという。