30年続くシーカヤック授業

有免海岸で行われたシーカヤック体験授業

名瀬知根小 ふるさと体験留学生も参加
離岸流の危険性も伝える

 奄美市名瀬根瀬部の知根小学校(中島保男校長、児童8人)は14日、有免(ありめん)海岸で「海で遊ぼう(シーカヤック体験)」授業を行った。市内4小学校からふるさと体験留学中の児童10人も参加してにぎやかに交流した。

 同海岸は、同校から歩いて5分の位置にある砂浜。指導したのは根瀬部集落在住の大海(おおうみ)昌平さん(67)ら保護者8人。体験授業は、集落の経験者らの協力で30年以上続けられてきたという。

 子どもたちを前に大海さんは離岸流の危険性などに触れ、「友達が溺れたらどうする」と問い掛けた。「助けに行く」と答える児童たちに、自ら助けに行く行為が一番危ないと説明、「必ず大人を呼びに行くこと」と念を押すように説明した。

 パドルのこぎ方の練習を終えると、子どもたちは全員ライフジャケットを着けてスタンバイ、用意されたカヤック7艇に乗り込んだ。

 初めはなかなか前に進まず、砂浜近くで行ったり来たりする場面もあったが、時間がたつにつれ次第に上達。高学年の男の子らを中心に〝遠乗り〟する姿もみられた。

 5年・境田胡陽(こはる)君(11)は「1年からやっているがこぐのが楽しい。小さい子たちも思ったよりうまかった」と話した。

 3年・中原珠愛莉(じゅえり)さん(8)は「楽しい。でも沖に行くとちょっと怖い」と、砂浜近くにいる時間が増えていった。

 ふるさと体験留学で参加した伊津部小・6年・宮田卓(すぐる)君(11)と奄美小3年・久保朔太郎君(9)は、知名瀬集落の家庭に一緒にホームステイ中。「初めての家で最初は怖かったけど、お年寄りが優しくしてくれるのですっかり慣れた」と言い、「(カヤックは)結構遠くまでこいだ。スピードが出て気持ちよかった」と満足そうに話した。

 ふるさと体験留学は、奄美市教育委員会が実施する事業。大規模校に在籍する児童に、小規模校児童との交流を通して「豊かな自然やふるさとの心」に触れさせようというもの。同時に小規模校やその地域の活性化を図る狙いもある。