6月定例県議会開会知事提案理由説明

奄振法延長実現、国に働き掛け
楠隼中学・高校の共学化、通学生受け入れ表明

 6月定例県議会は14日開会した、会期は7月5日までの22日間。物価対策が柱の2023年度一般会計補正予算や条例改正など17議案、専決処分2件を上程し、塩田康一知事が提案理由を説明した。この中で知事は今年度末(24年3月末)に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長に向け、法延長の実現などを国に働き掛けていくとの決意を示した。

 奄振法延長では、昨年度、県が実施した総合調査の報告書を3月末に取りまとめたことを説明。報告書では沖縄との連携や、調和ある発展を図るよう条文を改正し、輸送コスト支援や運賃軽減の拡充等により沖縄との連携策の強化などを図るとともに、奄振交付金を拡充し、地域の特性に応じた教育や地域文化の振興に関する事業を推進する必要があるとしている。

 知事は「4月に開催された国の奄振審議会においては、県から総合調査報告書について説明を行い、私からも、世界自然遺産に登録されたことを契機として、沖縄や屋久島と連携しながら観光立国に貢献する役割等が期待されることなどに触れながら、法延長の実現や支援措置の充実等の必要性について訴えた」と述べた。

 感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類感染症に変更された新型コロナウイルスについては「ウイルスがなくなったわけではなく、高齢者や基礎疾患のある方は依然として重症化リスクが高く、後遺症とみられる症状に悩まされている方もおられる」として、知事は高齢者など重症化リスクの高い人と会う際など、場面に応じた自主的な感染防止対策に取り組むよう呼び掛けた。

 県立全寮制男子校で中高一貫の楠隼中学校・高校(肝付町)の共学化、通学生の受け入れについて知事は「楠隼校の特色ある魅力的な教育を受けられるようにするため、女子生徒や自宅等からの通学を希望する生徒を受け入れることとしたい」と表明。具体的な時期については、全寮制男子校を前提に入学した生徒に配慮する必要があることから、該当する生徒が卒業した後、26年度に入学する中学生から段階的に開始したいとした。

 補正予算は一般会計で64億6500万円を増額し、補正後の一般会計予算総額は8961億1200万円となる。予算外の議案は県職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定など。

 19日に代表質問、21~23、26日に一般質問がある。