進路講演会 大島高校

母校の後輩に受験生の心得を講話する長義幸さん

「意識の切り替え重要」
卒業生の長さん呼び掛け

 奄美市名瀬の県立大島高校(貴島邦伸校長、生徒654人)は15日、進学への機運を高める「2023年度進路講演会」を同校体育館で開いた。講師として同校卒業生で㈱ベネッセコーポレーション鹿児島地区担当の長=おさ=義幸さん(28)が登壇。「部活引退の6月から夏休みにかけてのこの時期、受験への意識の切り替えが重要」と母校の後輩たちに呼び掛けた。

 同講演会は、大学進学へ向けてのモチベーション向上を目的に毎年実施。今年は「希望進路実現に向けて ~チャンスの神に後ろ髪はない~」の演題で、同校OBの長さんが講演。自身の経験を元にした受験への取り組みの講話に、生徒たちは真剣な表情で聞き入っていた。

 高校時代は部活(ラグビー部)に明け暮れていたという長さん。大学受験に失敗し、1年間の浪人を経て九州大学理学部に入学した。講演では自身の失敗を振り返り、「受験生としての意識切り替えのスイッチを、どのタイミングで入れるかが大事」と提言。6月の部活引退から受験までのスケジュール感を把握し「今のうちからできることを一つひとつ積み重ねることが必要」と訴えた。

 また苦手教科の克服法を「なぜ苦手なのか、どこが苦手なのかを徹底的に掘り下げなければならない」とし、「苦手科目は伸び代であり、克服することで全体の点数が伸ばせる。諦めずに、あくまでも第一希望を貫き通してほしい」と力を込めた。

 講演を聞いた生徒たちは、受験へ向けて今日何をすべきかを「宣言」としてノートに記入。生徒同士で意識を共有した。

 文系の国公立大学を目指している寺田碧海=あおみ=さん(3年)は「部活に没頭していてあえて目をそらしていたが、ようやく受験生という実感が湧いた。意識を高めて勉強に取り組みたい」と気を引き締めた

 長さんは「奄美の生徒たちは可能性のかたまり。今日の講話で、一人でも多くの生徒がスイッチを入れてほしい」と講演会を振り返った。