リクルート社の担当者の支援を受けながら自社の求人採用HPを作成するセミナー参加者ら
奄美市内の企業を対象とした同市の「採用力向上セミナー」が15日、同市名瀬の市民交流センターであった。今年5月に人材雇用などの情報発信サービスを手掛ける㈱リクルート(本社・東京都)と同市が締結した「市内企業の求人情報の発信強化と人材確保・雇用促進に関する連携協定」に基づく取り組みで、宿泊、介護、運輸、建設など、さまざまな業種の市内20社の雇用担当者ら21人が参加、同社が全国でサービス展開する採用ホームページ(HP)作成ツール「Air(エア)ワーク採用管理」を使った求人採用HPの作成などを体験した。
セミナーでは、▽最新の人口動態や採用動向▽求職者が求める仕事探しの傾向に合わせた採用のポイント▽リクルート社の採用HP作成ツールや求人検索エンジン「Indeed(インディード)」を活用した採用ホームページの立ち上げ―等について、同社の担当者らが説明した。
担当者らは、全国的に人材不足が深刻化する一方、女性や60歳以上のシニア層では、仕事をしたいと思っている人の多くが、企業とのミスマッチなどにより就職できていないとし、女性やシニア層の仕事探しの条件にあった求人を行うことで労働力の確保につながることなどをアドバイス。業務内容や労働時間を細分化、シフト制により短時間勤務を可能にするなど労働環境を改善することで、採用力向上につなげた過去の事例などを紹介した。
求人採用HPの作成では、実際にインターネット上でエアワークを使って求人採用HPを作成。職種や勤務形態などを記載する際の注意点として「職種は分かりやすく、仕事内容は具体的に」などとアドバイスする一方、「人気」「簡単」「月収50万円以上可能」などの記載は、具体性に欠けていたり、仕事内容と関係なく記載された給与額の信ぴょう性が低いと判断されてしまう場合が多いことなどを指摘した。
セミナーに参加した宿泊業の男性(28)は「人手不足で増え続ける観光客に対応できない状態。求人採用HPを利用し島外からの人材確保につなげたい。寮を完備している点などをアピールしたい」と話した。介護施設を運営する事業所の男性(60)は「介護業界全体で深刻な人手不足になっている。資格がなくてもできる仕事もたくさんある。一日でも早く求人採用HPを立ち上げ、人材確保につなげたい」と話した。
16日も同様のセミナーが行われることになっており、市商工政策課は「今後もリクルート社と連携し、市内事業者の求人採用支援などを行っていきたい」としている。