南九州陸上・原(大島)、2位で全国へ

【男子5000㍍競歩】序盤から積極的にレースを引っ張る原(大島)=白波スタジアム

男子5000㍍競歩

【鹿児島】陸上のインターハイへの最終予選となる2023年度全九州高校総体南九州地区予選大会第1日は16日、鹿児島市の白波スタジアムであった。

奄美関係では男子5000㍍競歩の原勇輔(大島)が21分34秒35の2位でインターハイ出場を決めた。男子砲丸投げの坂本蓮(沖永良部)は11㍍38で18位だった。

第2日は17日、同会場である。各種目6位まで(※男子競歩と女子ハンマー投げは4位まで)が全国大会(8月2―6日・北海道)に出場する。

◆ヒーロー
価値ある敗戦 原(大島)

昨年行けなかったインターハイに行ける「喜び」と今季初めて鴨池でのレースで負けた「悔しさ」。どちらが大きいかと問えば原勇輔は「悔しい思い」の方が強いという。

スタートから先頭に立って積極的にレースを引っ張った。1周目は1分35秒、最初の1000㍍は4分7秒、大会記録も狙えるハイペース。県総体後は思うように練習が積めず、不安要素を抱えていたが、上々のレース展開だった。

だが気温27・8度、湿度51・1%の蒸し暑さは「想定上にこたえた」。こまめに給水し、終盤まで首位をキープしていたが、4000㍍手前で2年生の楠岡(慶誠)がスパート。ついていくことができず「一本取られた」と後塵=こうじん=を拝した。

悔しい敗戦ではあったが、「県総体で優勝したことよりも価値のあるレースだった」と当房晶広監督。昨年は持っている力を出し切れずに5位でインターハイを逃した。今回、敗れはしたものの「自分の持っているものは出し切れた」(原)実感はある。蒸し暑さの中でも、自分のペースでレースを作り、4月の好条件の中で出した21分30秒28のベスト記録に次ぐタイムが出せたのは、力がついてきている証左だ。

インターハイに向けて克服すべきは「後半の粘り」という明確な課題も見えた。これからの練習で「進化した自分をつくって、北海道では笑顔でゴールできるようにする」ことがインターハイの目標になった。
     (政純一郎)