県議会代表質問

地域振興局・支庁庁舎の劣化状況調査結果で「建て替えの優先度が高い」と評価された大島支庁の庁舎

大島支庁舎建て替えへ
サッカー等スタジアム 北ふ頭候補地「多くの課題」

 6月定例県議会は19日、代表質問があり、自民党の寿肇議員=大島郡区=、県民連合の福司山宣介議員=鹿児島市・鹿児島郡=が登壇。寿議員が取り上げた地域振興局・支庁庁舎の再整備で15庁舎の劣化状況調査結果報告があり、大島支庁の庁舎も建て替えの優先度が高く、2024年度中に再整備の時期を精査する方針が示された。

 庁舎再整備は山本周総務部長が答弁。この中では、建設から50年以上経過した15庁舎(再整備する南薩地域振興局庁舎以外)においてコンクリート中性化の進行度や鉄筋の腐食度などの劣化状況を調査した結果、北薩地域振興局本庁舎、姶良・伊佐地域振興局本庁舎及び大島支庁舎の3庁舎について「コンクリートの中性化の進行により鉄筋の腐食が進行していることから建て替えの優先度が高く、北薩及び大島は今後概ね10年を目途に、姶良・伊佐は同15年を目途に建て替えることが望ましいと評価された」と説明。これを踏まえ3庁舎について山本部長は「南薩地域振興局庁舎再整備の状況を参考に24年度中、具体的な再整備の時期を精査していきたい」と述べた。

 鹿児島港本港区エリアのまちづくり関係では、鹿児島市がサッカー等スタジアムについて「北ふ頭が候補地になり得るか検討を行う」と表明したが、これに対する知事の見解が質問された。塩田康一知事は「市議会の特別委において鹿児島市が『これまで検討していた2か所を断念し、北ふ頭の整備の可能性について調査したい』との説明をされたと承知している」とした上で、同スタジアムの稼働状況は年間の半分にも満たないことから「北ふ頭への整備を検討するとした場合、年間365日にぎわう拠点を整備することを開発コンセプトとしているエリアのグラウンドデザインとの整合性、奄美・喜界航路や上屋を移転しなければならなど多くの課題がある」として厳しい見方を示した。

 新型コロナウイルス感染症関係では5類への変更に伴う医療提供体制の「移行計画」が取り上げられた。房村正博・くらし保健福祉部長の答弁によると、4月に策定した同計画では、これまでの1日あたりの最大入院患者数である1515人の入院受入体制を確保するため、67の入院受入医療機関で629の病床を確保するとともに、これまで受入経験のある医療機関に加えて、受入経験のない医療機関にも患者受入を求めていく。県では県医師会と連携し医療機関向け説明会を行うなど周知啓発に取り組んでおり、房村部長は「6月12日時点における入院受入医療機関数は、計画策定時から37増加した104となっており、確保病床数も124増加した755床となっている」と報告した。

 21日から一般質問に入る。