孤立6集落、海上輸送で対応

宇検村平田集落を視察する元山公知村長(右から2人目)=22日午前10時26分、宇検村提供=

屋鈍集落ではプロパンガスが運び込まれた(22日午前11時頃)=阿室小中学校・山内啓二教頭提供=

元山村長ら各集落視察、物資支給や説明会
宇検村

 20日から21日にかけて線状降水帯が発生し、大雨が降り続けた奄美地方では22日午後6時現在、宇検村の県道79号線(名瀬瀬戸内線)で起きた土砂崩れの影響で、同村平田、阿室、屋鈍、部連、名柄、佐念の6集落228世帯、365人が依然として孤立状態となっている。うち平田、阿室、屋鈍集落(計122世帯)で21日に発生した停電は、22日午後8時頃に全面復旧した。

 村は22日、宇検村漁協を通じて小型漁船4隻を手配。元山公知村長はじめ役場職員、関係機関などが6集落を視察。発電機、燃料、プロパンガスなど物資の補給に回るとともに、各集落で説明会を開催した。同日午前10時頃から平田、阿室、屋鈍の各集落を回り、夕方以降は名柄、佐念、部連の各集落へ向かった。

 平田集落での説明会には阿室集落の住民も参加した。村は今後の対応として、▽救急搬送の確保▽ごみ収集▽通行止めの解除▽薬の提供など保健福祉―などの対応策を説明。住居に関しても、村営住宅の空き部屋の提供などを検討するとした。

 各集落からは、▽学校給食や非常食の提供▽通信販売品の配達▽チャーター船で湯湾に渡った際の車両手配―など要望が出たという。

 村は今後、道路が復旧するまでの措置として、湯湾を発着するチャーター船を運航し海上輸送を行う。23日は、▽屋鈍―湯湾間1往復▽平田―名柄―湯湾間3往復▽平田―湯湾間1往復▽湯湾―名柄―平田―屋鈍間4往復―の計9往復を予定。生活ごみの収集、通勤時間帯の出航や、臨時休校が続く阿室小中学校に通う屋鈍集落居住の児童を平田で降ろすなどの対応を取ることにしている。