宇検村6集落の孤立解消

奄美大島各地では急ピッチで復旧作業が進められた(宇検村須古、午後4時頃)

停電・断水など、復旧進む
奄美大島大雨被害

 記録的な大雨に見舞われた奄美大島では23日も、復旧作業が続いている。宇検村の6集落で発生した孤立は同日夕方までに解消。幹線道路での通行止めが続く一方、大雨の影響による停電や断水も解消に向かうなど、復旧が進んでいる。

 解消したのは、宇検村の平田、阿室、屋鈍、部連、名柄、佐念の6集落。同集落へとつながる県道曽津高崎線のタエン浜~平田間と阿室~屋鈍間、名瀬瀬戸内線の須古~部連間の3か所で土砂が流出。道路が寸断され、21日から孤立状態が続いていた。

 各路線では建設業者らが24時間体制で作業に対応。同日午後7時までに3路線すべての片側通行が可能になった。

 23日は、湯湾集落と孤立する部連~名柄~平田集落を経由する船をチャーターし、村が片道9便を運航していた。村民と相談し、状況を判断しながら継続の可否は決めていくという。

 道路での被害は同日現在、奄美市の旧道2か所、大和村の林道1か所、宇検村の県道など6か所、瀬戸内町の県道など11か所で通行止めが続いている。

 瀬戸内町の断水は午後3時半現在、一部地区を除いて概ね復旧。九州電力によると23日午前11時3分までに、大雨の影響による停電はすべて解消している。

 家屋の浸水被害は、奄美市8棟(床上3、床下5)、大和村4棟(床上2、床下2)、宇検村34棟(床上7、床下27)が夕方までに判明。瀬戸内町は前日までに、29棟(床上6、床下23)の報告が住民らから上がっていた。

 名瀬測候所によると、沖縄付近にある梅雨前線は24日にかけて奄美地方を北上する見込み。同午前6時までに予想される24時間降水量は多いところで北部、南部ともに80㍉。土砂災害のほか、落雷や突風に注意するよう呼び掛けている。