復旧作業続く

泥だらけになりながら、土砂の撤去作業をする住民とボランティア

床上まで浸水した住宅からは畳や家電製品などが運び出された

約200人のボランティア集まる
泥だらけになり運び出す
甚大な土砂災害の瀬戸内町久慈

 線状降水帯による記録的な大雨で、甚大な土砂災害が発生した瀬戸内町の久慈集落(武田政文区長、61世帯92人)では、日曜日となった25日も住民やボランティア総出で復旧活動が続いた。島内各地から集まったボランティアは約200人。集落内の道路は狭く、民家の庭や敷地内には重機が入れないため、水分を多く含み重たくなった土砂を泥だらけになりながら人力で運び出す姿が多く見られた。

 復旧作業も4日目となり、気温が25度を超す暑さの中での作業がさらに疲労を蓄積させた。武田区長は「線状降水帯の恐ろしさを身に染みて感じた。土砂は川ではなく農道を通じて集落に入り込んだ。こんなことは79年の人生で初めて」と災害時の状況を話し、「多くのボランティアの協力で、26日には土砂の撤去が終わる予定。関東瀬戸内会や各地の郷友会から励ましの連絡もあり、早く日常が戻るよう頑張る」と語った。

 家の周辺に大量の土砂が入り、床下浸水の被害を受けた徳山真智子さん(60歳代)は「どんどん水かさが増して、すごく怖かった。土砂により家から出るのが難しかったが、ボランティアなどが撤去してくれて助かった」と感謝した。

 龍郷町から駆け付けた村田輝=ひかる=さん(33)は「仕事が休みだったので、少しでも役に立てればと思いボランティア活動に参加した。思った以上の土砂の多さにびっくりした」と話した。