名瀬、加計呂麻で誘殺

奄美市、瀬戸内町加計呂麻島では県内で今年度初となるミカンコミバエの誘殺が確認された(資料写真)

発生国から風による飛来可能性 ミカンコミバエ

 県経営技術課は27日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの雄成虫の誘殺が奄美市名瀬、瀬戸内町(加計呂麻島)で1匹ずつ確認されたと発表した。県内での誘殺確認は今年度初めて。

 発表によると、今月26日、設置されている調査用トラップにより奄美市名瀬長浜町と加計呂麻島生間=いけんま=で1匹ずつの誘殺が確認されたもの。奄美では6月から11月にかけては関係機関による調査が週1回行われている。

 誘殺確認に伴い国、県及び市町などが連携して、国のマニュアルに基づきトラップ調査などの初動対応が実施されている。今回の誘殺要因について農林水産省門司植物防疫所は「今月18日以降、フィリピンや中国南部、台湾といった発生国から風の吹き込みが確認されており、その風によって(奄美群島に)飛来した可能性がある。また、寄主果実調査によって他に要因があるか探っていく」としている。

 誘殺確認を受けての初動対応は次の通り。

 【トラップ調査】奄美市では、誘殺地点から半径5㌔㍍円内の既存トラップ18基に加えて7基を増設(計25基)。瀬戸内町では、加計呂麻島全域の既存トラップ16基に加えて23基を増設(計39基)。調査開始後2週間は週2回の調査を実施。

 【寄主果実調査】誘殺地点から半径2㌔㍍円内の庭木や菜園などの寄主果実(スモモ、トマトなど)を採取し、5日間以上保管後、幼虫の有無を確認。採取日は1回目が27日、2回目が7月11日(奄美市)と同12日(加計呂麻島)。

 【誘殺板防除】誘殺地点から半径2㌔㍍円内に誘殺板(テックス板)を設置。いずれも27日に実施しており、奄美市が1100枚、加計呂麻島が500枚。

 【ベイト剤防除】誘殺地点から半径50㍍円内にベイト剤(ミバエの好む餌と殺虫剤を混合したもの)を、いずれも27日に散布済み。