奄美海保が船舶指導

「フェリーとしま2」の中村船長(左)に海難防止対策の徹底などを呼び掛けた奄美海保の隅倉交通課長

台風シーズン前に海難防止呼び掛け
「早めの情報収集、避難を」

 本格的な台風シーズンを前に、奄美海上保安部は27日、奄美大島の港に寄港する船舶の台風などによる海難事故防止を目的とした啓発活動を行った。同日、奄美市の名瀬港佐大熊岸壁に寄港した「フェリーとしま2」(1953㌧、中村幸喜船長)に奄美海保の職員らが乗り込み、台風情報の早期把握、遭難・緊急時の通信や無線放送される海上安全情報などが入る国際VHF(ch16)の常時聴取などを呼び掛けた。

 啓発は、第十管区海上保安本部が21日~30日に実施している「2023年度台風海難防止強調運動」に合わせた取り組み。同日午後3時過ぎに名瀬港に入港したフェリーとしま2を訪れた、同海上保安部の隅倉好一朗交通課長は、中村船長の案内で船橋内などを確認。①台風情報の早期把握及び継続的な情報収集の励行②早期避難及び保船対策の励行③適切な避難場所の選定及び事前調査・検討の実施④走錨=びょう=を防ぐための安全対策の徹底⑤国際VHFの常時聴取―を重要事項として挙げ、安全運航に心掛けるよう求めた。

 隅倉課長は「近年、大型化する台風に備えるためにも、早期に情報収集し、余裕を持って安全な海域への避難などをお願いしたい」などと要請。中村船長も「台風の進路情報などをきめ細かく収集し、島民の生活を守るとともに、乗客や乗船員の生命を第一に安全航行に努めたい」などと話した。