伝統の「汐干し」学習

岩場に海水を打ち付ける児童ら(28日、和泊町国頭)

塩作りで先人の苦労知る
和泊町国頭小 海水を岩場に打ち付け

 【沖永良部】塩作りを通して先人の苦労を知る「汐干し」学習が28日、和泊町国頭の海岸であった。同町立国頭小学校の6年生9人が参加し、海水を岩場に打ち付ける作業を体験した。

 同小で1982年から行われている体験学習の一つ。前日は、講師の田中美保子さん(64)から、島の暮らしとともに国頭地区で製塩が行われた理由を学んだ。

 海岸に移動した子どもたちは、保護者に協力してもらいながらバケツで波打ち際のくぼ地(フンムイ)に海水をくみ上げ、塩分濃度を高めるために岩肌に何度も海水を打ち付けた。

 同小6年の通村颯眞さん(11)は「つらい作業。昔の人はこの作業を一日中していたなんて信じられない」。川間麗乃さん(12)は「潮風で作物が育ちにくいこの場所でも、生活のために塩を作ろうと思った先人たちはすごい」と話した。

 29日は、海水を煮て塩を作る「汐炊き」を体験する。