徳之島地区「新規就農者励ましの会」出席の対象者たち(前列)=6月30日、伊仙町中央公民館
【徳之島】徳之島地区の2023年度「新規就農者励ましの会」が30日、伊仙町中央公民館であった。県や町行政関係者などが食料自給率向上を担う「農業のプロに」などと期待を寄せたのに対し、就農者たちは各品目での規模拡大、地域へ貢献など抱負を発表した。
徳之島3町担い手育成総合支援協議会と同島農業改良普及事業協議会が主催。今年度対象者は、県立農業大学校などを経た後継者や他産業からのUターン参入、Iターン就農者など計10人(天城町5人・伊仙町3人・徳之島町2人)で、前年度より4人増えた。年齢は21歳~50歳と幅広い。
励ましの会には、県や3町行政をはじめ先輩の指導農業士、農業青年クラブ(4Hクラブ)の関係者合わせ約50人が出席。開催町の大久保明伊仙町長は、世界の穀倉地帯のウクライナ危機にも触れ、「食料自給率向上が大きな課題。大きな志を持って頑張ってほしい。行政もあらゆる支援をしたい」と述べた。八木修治県徳之島事務所長も畑かん営農やスマート農業展開など現状を説明しながら、「農業のプロを目指してほしい」などとエールを送った。
対象者たちは、サトウキビや肉用牛、バレイショ、メロン、パッションフルーツなど個々の経営品目や目標を示しながら自己紹介。県側からは県農業改良普及研究会発行「農業かごしま」(隔月、年6回発行)1年分などを贈呈された。同島4Hクラブの紹介や県徳之島事務所農業普及課による新規就農者への各種支援制度などの紹介もあった。
昨年5月神奈川県から天城町にIターンし、同町農業センター研修(1年間)を8月に修了して就農する橋本孝治さん(50)は「これまでは養蜂業。5年前に初来島してこの島が大好きになった。(研修した)パッションフルーツやメロン栽培を中心に営農しつつ、養蜂にも取り組みたい」と話した。