瀬戸内町出身 宮畑豊さんを送る会

宮畑さん(円内)の在りし日をしのぶ、馬淵衆院議員と新極真会・緑代表

 

 

名門トレーニングジムを創設

 

 

 【東京】瀬戸内町出身で、日本を代表するトレーニングジムの名門「トレーニングセンターサンプレイ」を創設し、会長として活躍した宮畑豊さんが、5月11日に死去、81歳だった。数々のアスリートを育て、幅広い層から慕われた宮畑さんの「送る会」がこのほど開催された。会場には多くの関係者が訪れ、故人をしのんだ。

 宮畑さんはボディビル界に多くの名選手を送り込む一方で、柔道のウルフ・アロン選手らオリンピックメダリストのほか、横綱・照ノ富士、慶應義塾高校、東京学館船橋高校の野球部員らもトレーニング指導した。台東区上野の精養軒で6月25日に行われた「故宮畑豊儀・お別れの会」には、故人の笑顔に誘われるように瀬戸内町出身者や格闘技界、学校関係者ら約1000人が訪れた。発起人としてNPO法人全世界空手道連盟新極真会の緑健児代表があいさつ。元国土交通大臣で衆院議員の馬淵澄夫氏(立憲民主党)が来賓として弔辞を述べた。

 「不死身だと思っていたのに」。筋骨隆々の姿が映し出される大型プロジェクターを見詰めながら、そんな会話も聞かれた。ボディビルの枠を超えての人脈に「改めてすごい人だった」と驚く人も。会場には輝かしい業績を示すコーナーが設けられた。自ら手掛けた黒糖焼酎が振る舞われ、奄美を宣伝する宮畑さんの歌も流されていた。

 同町芝深浦生まれ、警察官を夢見るも、けがで断念。脊柱分離症で1年間寝たきりに。それを機に、独自のウエイトトレーニング理論を構築し、ボディビルの頂点に立った。「人を幸せにする不思議な力を持っていた」(緑氏)、「加計呂麻の森と海のような豊かさと惠みを与えてくれた」(馬淵氏)。故人の紹介が屈強な男たちの表情も曇らせた。

 「人を引きつけるエネルギーにあふれていた」と近藤賢司総合統括責任者が言うジムには、30年以上親交を深める音楽家・長渕剛さんの書画も飾られている。2020年9月「コロナ禍・奄美のために出来ること」に登場した宮畑さんは「大自然の下で、島の皆さんと一緒に体を動かしたい」と語っていた。