「貴婦人」羽化始まる

黄金色のさなぎから羽化するオオゴマダラ(提供写真)

 

黄金のさなぎも見頃
喜界町のオオゴマダラ

 

 国内最大級のチョウで、喜界町の保護チョウ「オオゴマダラ」の蛹化=ようか=が、同町でピークを迎えている。民家の庭先では、鈴なりになった黄金色のさなぎが太陽の光を浴びて輝き、羽化を始めたチョウが羽ばたきを前に、爽やかな風にそよいでいる。さなぎの見頃は7月中旬まで。

 オオゴマダラは、マレー半島からフィリピンや台湾などに分布する大型のチョウで、喜界島が北限とされている。白地に黒の模様が特長の羽を持ち、優雅に舞う姿から「南の島の貴婦人」とも呼ばれている。

 喜界町地域おこし協力隊の谷川理さんによると、さなぎは6月中旬頃から見られるようになり、梅雨が明けてからは少しずつだが羽化もし始めている。喜界島農産物加工センターの中庭では、3㌢ほどのさなぎ100個ほどがホウライカガミのつるにぶら下がり、華麗に飛び立つ日に備えている。

 さなぎの数は、同センターだけでも昨年の2倍は見られるという。谷川さんは「自然界に生息するオオゴマダラが、こんなに身近に見られるのも喜界島の魅力。夏本番には多くの人に見に来てもらいたい」と話した。

 オオゴマダラの体長は、羽を広げると15㌢ほど。同町では1989年に保護条例を制定し、捕獲などを禁止している。