徳之島町新庁舎落成式

完成した徳之島町役場新庁舎=2日、同町亀津

テープカット及びくす玉割り(左側)で喜びを共有

女子職員ら「徳之島町歌」「日本復帰の歌」合唱も

「輝く未来へのランドマーク」
町の新たなスタートに

 【徳之島】徳之島町役場新庁舎の落成記念式典が2日午後、政財界の来賓や町民各層代表など関係者約180人が参加して同庁舎前であった。「住民との協働で持続可能な人と環境にやさしい『まちづくりの拠点』」「防災・減災の拠点となる災害に強い庁舎」が待望の完成。奄美群島日本復帰70周年記念にも絡め、産業振興や将来を担う教育体制の充実など「徳之島町の新たなスタート」を誓い合った。

 同町新庁舎は、旧庁舎(1974年建設)の老朽化に伴い2018年5月に新庁舎建設プロジェクト委員会を設立して実質着手。基本計画の住民説明会や町民代表ワークショップ、基本設計なども経て21年2月に着工。昨年10月から新庁舎仮使用(業務開始)。今年3月には旧庁舎解体工事を完了。このほど外構工事が完工した。

 新庁舎の規模は鉄筋コンクリート造6階建て延べ床面積3585平方㍍(建築面積1330平方㍍)。基本方針は①住民だれもが利用しやすく親しまれる庁舎②防災・減災の拠点③機能性・効率性を重視④人と環境にやさしい庁舎―など。1階に「多目的ホール」や「町民ギャラリー」、2階に防災「キュッQ広場」や待合所併設「キッズコーナー」なども配置。

 総事業費は25億1292万8千円(緊急防災・減災事業債14億600万円、庁舎整備基金5億8千万円など)。

 新庁舎落成式典は、南西航空音楽隊(那覇)演奏の「日本復帰の歌」など全体斉唱で開式した。高岡秀規町長は式辞で「建設中はコロナ禍や世界情勢などの懸念材料もあったが無事、本日を迎えることができた。徳之島町の新たなスタートとして、より質の高い行政サービスを実現。農林水産業の振興や教育体制の充実強化。安心安全でだれもが住みやすいまちづくりを目指す」など強調。

 来賓祝辞には、尾辻秀久参議院議長や衆院議員の三反園訓、保岡宏武両氏、県知事(新川康枝大島支庁長代読)が立ち、新庁舎を拠点とした同町の新たなスタートによる発展に期待した。

 児童生徒代表の「お祝いのことば」のなかで作城那奈子さん(亀津中3年生)は「私たちの大切な島の人々を守って下さい。広い世界へ挑戦に旅立つ子どもたちを、故郷の象徴として温かく送り出して下さい。人々の日々の営みを支え、明るい未来へ背中を押す存在に。新庁舎が輝く未来へ徳之島町の人々を先導するランドマークであり続けて欲しい」ともアピールした。

 来賓らを交えたテープカットに続き、新生児(山本伊織さん長女・彩楓ちゃん=花徳)や町内各小中の児童生徒代表らでくす玉を割って喜びを共有。このあと、JAあまみ徳之島事業本部会館ホールに会場を移して祝賀会があった。