志學館大学と高大連携締結

大島高校と志學館大学が高大連携協定を締結した(3日、奄美市名瀬)

「卒業後の進路描ける協定」
大島高校

 奄美市名瀬の県立大島高校(貴島邦伸校長、生徒654人)は3日、鹿児島市の学校法人志學館学園志學館大学(飯干紀代子学長)と「高大連携」に関する包括連携協定を締結した。同校の大学との連携協定は鹿児島大学に続き2校目で、7日には、第一工科大学(霧島市)と高大連携協定を結ぶ予定。今後、各大学機関との交流、連携による離島における高校教育の活性化に取り組む。

 全国で進められる高大連携は、主に大学教育の活用による高校教育の充実、発展が目的。今回の協定では、高校生の進路への意識、学習意欲を高めるとともに、大学側が求める学生像、教育内容への理解を掲げ、相互発展を目指す。

 連携内容は、大学による▽高校への出張講義▽特別授業の支援▽サークル活動の指導―のほか、教育に関する情報交換、交流など全5項目。今後、新たに設置した「高校・大学連携推進会議」で、具体的な内容を協議する。

 締結について貴島校長は「課題設定、探究活動に取り組む生徒たちだけでなく、教員にとっても大学が身近な存在になるのは有意義なこと」と話し、飯干学長は「協定を境に互いに持つリソース(資源)を活用し、生徒たちの幸せに寄与できれば」と語った。

 式に出席した副生徒会長で3年の泉美乃=よしの=さん(17)は「奄美大島には大学がなく、島の高校生たちが卒業後(の進路)を思い描きづらいという離島の壁があった。しかし、協定によって大学に行くという進路が描けるのでは」と期待した。

 志學館大学(約1400人)は前身の鹿児島女子手芸伝習所が1907年開設。2学部(法学、人間関係)4学科のほか、大学院(心理臨床学研究科)を併設。高大連携協定は大島高校が初。