走る冒険家、岩元みささん講演

講演した「走る冒険家PONちゃん」こと岩元みささん(知名町の田皆中学校)

「やりたいことを思い切って」
知名町田皆中

 【沖永良部】「走る冒険家」として活動する岩元みささん(30)が4日、知名町立田皆中学校(菅野公平校長)で講演した。全校生徒50人を前に「やりたいことを思い切りやってほしい。それが自分の生きる形になる」と呼び掛けた。

 岩元さんは鹿児島市出身。愛称はPONちゃん。2018年4月に世界で最も過酷なマラソンと言われる「サハラマラソン」に挑戦し、237㌔を完走。同年10月には「イランシルクロードマラソン」230㌔、19年5月は「ナミブレース」251㌔を走破した。先月18日には、モンゴルのゴビ砂漠で開催されたマラソン大会で、250㌔を7日間かけて走り切った。

 今回、先月30日から3日間の日程で、世界自然遺産奄美トレイル沖永良部コース70・6㌔を走破するため来島していた。

 講演で岩元さんは、レースで使ったリュックやその中身を見せながら「最初のレースは荷物の重さが18㌔もあった。いまは11㌔まで減らすことができた。いろいろなことにおいても工夫することが大事だ」と説明。サハラマラソンへの挑戦を決意した時のことを振り返り「やめた方がいいと言ってくる人がいたり、お金の心配もあったりしたが、やりたいことに挑戦していたらサポートしてくれる仲間が増えてきた。みんなから応援したいと思える人になれたら、自分も強くなれるし、周りの人も元気になる」。大会でイランを訪れた時は「政治的にアメリカと対立していたが、そこには普通の生活が広がっていた。イランの友達から『FRIENDSHIP HAS NO BORDER(友情に国境はない)』という言葉を教わった。イランの人は世界中から怖がられていると気づいている。しかし、先入観で何かを決めてしまうのはもったいないと感じる」と語った。

 生徒たちからは「レース中、どうやって寝ているのか」「持っていく食べ物は」「レースで賞金は出るのか」「つらいと思ったときに自分を支えてくれるものは」などの質問が出た。

 この日は岩元さんの誕生日で、最後に生徒全員で歌を披露して祝った。

 田皆中2年の森流晴さん(13)は「お金が全てではなく、記憶に残ることをしようと頑張っている岩元さんに感動した。自分も熱中できる何かを見つけたい」と話した。

 岩元さんは、来年11月開催の南極マラソンに挑戦するという。