DeNA「奄美デー」に出身者集う

始球式に臨んだ安田市長。終了後はスタンドに現れ、出身者たちと声援を送った(円内)

花束贈呈役を務めた里歩寿さん(左)と金子きよらさん(右)

配布されたうちわをあおぎながら観戦する出身者ら

安田市長始球式、復帰70周年PR

 【東京】奄美市は4日、プロ野球の横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム(東京ヤクルトとの10回戦)で恒例の「奄美デー」を開催した。奄美からの約50人と関東在住の奄美出身者合わせ約350人が熱戦を見守っていた。

 ナイトゲームに先立ち、選手への花束贈呈があり、続いて安田壮平市長(44)が始球式のマウンドへ上がり、全力で白球を投じた。背番号70の安田市長は「奄美群島日本復帰70周年をPRできました」と満足そうに振り返っていた。

 花束贈呈の大役を果たしたのは「2023・24紬美人」の金子きよらさん(24)と唄者・里歩寿さん(29)。それぞれあでやかな大島紬姿で登場した。大きな拍手に見送られた2人はその後、奄美出身者らが陣取る内野応援席に加わった。

 この日は「奄美群島日本復帰70周年記念」とされた。DeNAは、今年2月に奄美大島で2軍が春季キャンプを張った。球場敷地内にはのぼりが掲げられ、観光案内ブースではパンフレット配布や観光VR(仮想現実)体験が実施された。満員のスタジアムでは、大型スクリーンなどで「奄美群島日本復帰70周年記念」の映像が流された。奄美をPRする1万5千枚のうちわも配られ、スタンドで揺れていた。

 横浜在住の演歌歌手・高木和也さん(73)は、友人の誘いで妻の美代江さん(68)と観戦した。大のDeNAファンだが、美代江さんが2年前に悪性リンパ腫になり、最近寛解した。そのため「今季初観戦で、このタイミングでのハマスタは、ありがたい。奄美に感謝します」(和也さん)。「華やかな大島紬、グラウンドに映えてすてきでした」(美代江さん)。映し出される奄美を見ながら「ぜひ奄美に行ってみたい」と話し、夫妻は大病克服祝いの旅をまだ見ぬ南の島へ描いていた。

 試合後半、「大声を出そう」と球場内にアナウンスがされ、コロナ禍の鬱憤を晴らすよう大声援を送ったものの、DeNAは3―4で惜敗。それでも奄美出身者たちは満足そうにスタジアムを後にしていた。