東京奄美会

大型プロジェクターで奄美の様子を説明する塩田知事


講演後、記念写真に納まる参加者ら

文化講演会で塩田知事
「奄美の未来」を熱弁

 【東京】東京奄美会(井上脩士会長、泰良宗男幹事長)は6月24日、品川区の三州倶楽部で鹿児島県知事の塩田康一氏を講師に2023年文化講演会を開催した。会場には約110人が詰め掛け、塩田氏の奄美への思いなどに耳を傾けていた。

 勝光重文化広報部長の趣旨説明などに続いて、塩田氏は拍手の中、笑顔で登壇した。演題は「奄美の現在と将来に向けて」。冒頭、「4~7歳に伊仙町で生活し、その後、鹿児島で育った。県政については短くして、奄美を多く語るようにスタッフに言われた」と会場を沸かした。

 同月20~21日の線状降水帯発生による大雨被害について「人的被害はなかったが、多くの世帯で断水があり、自衛隊による給水が実施された」と報告。続いて、軽石問題、世界自然遺産登録に関連する外来種対策等を説明した。生産反数がピーク時の1・1%まで減少した大島紬に関して「トップセールに行ったフランスで、スカーフとして使用できないかと提案した」とエピソードを披露した。

 奄美群島を「鹿児島の宝」として我が国の先進地域となるため、奄振法延長と制度の拡充等を実現し、奄美群島の発展に取り組みたい」と語った。さらに「奄美群島復帰70周年の歴史も、しっかりと後世に伝えていきたい」と強調した。参加者からは、人口減少への対応など要望があり「島への留学生の家が足りないので、お持ちでしたらご協力を」と呼び掛けていた。

 一方、「次期は国政で」の声には「まだ県知事1期ですから」と苦笑いで応えていた。参加者と記念写真に納まった塩田氏はその後、懇親会でも各郷友会関係者らと奄美の話題で盛り上がっていた。