和泊町で「奄美農業を語る会」

奄美農業の発展に向けて意見交換が行われた語る会(和泊町)

 

高収益生産など3事例紹介
ハカマ回収や輸送コスト質問も

 

 【沖永良部】奄美農業を語る会(県農業経営者クラブ沖永良部・与論支部主催)が10日、和泊町のえらぶ長浜館であった。群島内の農業関連団体のメンバーら約60人が参加。トルコギキョウの高収益生産(和泊町)や多種多様な野菜作り(奄美市)、サトウキビと肉用牛の耕畜連携(徳之島)の3事例をもとに意見交換を行った。

 地域農業の発展を目的に開催。事例紹介では、農業経営者クラブ沖永良部・与論支部の芋高茂樹さんが「花の島沖永良部の特性を生かしたトルコギキョウ高収益生産」について発表。安定出荷に向けた遠赤色LEDや白黒ダブルマルチの利用、米ぬかによる土壌還元消毒などの取り組みを説明し、課題としては「周年で花きや野菜を栽培しているため、常時雇用の確保を行う必要がある」と述べた。

 「奄美大島に根差した多種多様な野菜作り」について発表した同クラブ奄美支部の原田学さんは、カボチャを中心に島キュウリやニガウリ、トウガンなど10品目以上を栽培。奄美大島の野菜生産の現状について「島外向けの野菜としてカボチャが推進されているが、なかなか増えていない。しかし、地元の飲食や観光業者、給食センターからは地場野菜での地産地消を求める声も聞いている」とした。

 同クラブ徳之島支部の林栄作さんは「サトウキビと肉用牛の耕畜連携で高品質・安定生産を目指す」をテーマに、キビの残さ(ハカマやバカス)を牛舎の敷料に活用する取り組みのほか、分娩検知システムなどICTの活用による管理の効率化について説明。今後の目標に、島内自給粗飼料の生産向上や未利用資源の活用による飼料費のコスト低減を挙げた。

 意見交換では、事例発表者3人が登壇。参加者からは、畜産で活用するキビハカマの回収方法や、農作物の輸送手段と輸送コストなどについて質問が出た。

 2日目は、和泊町内の各種ほ場で現地検討会を行う。