創作童話が「映像化」 小宿中3年・森千花さん

映像化された「星と友達」のワンシーン。ハブを中心に満天の星々を眺める森の動物たち(県立博物館提供)

感謝状を贈呈された小宿中3年の森千花さん(6日、奄美市名瀬)

県立博物館 プラネタリウムで上映中

 奄美市名瀬の小宿中学校3年、森千花さん(15)の創作童話「星と友達」がこのほど、県立博物館プラネタリウム(鹿児島市)の上映作品として映像化され同校で7日、感謝状贈呈式があった。同博物館、住吉啓三主任学芸主事(50)から賞状を手渡された森さんは「自分が不安を抱え、悩んでいた時、(作品中の)ハブと同じ気持ちで書いた。映像化はびっくりして恥ずかしいけど、うれしい」と喜びを語った。上映は6月から始まっており、9月10日までを予定。

 同作品は、県図書館協会奄美支部主催「第18回(2021年度)ネリヤカナヤ創作童話コンクール」の「中学生の部」最優秀賞を受賞。昨年ラジオ番組で朗読され、内容を聴いた同博物館職員が、プラネタリウムの上映作品として提案。映像化のシナリオとして採用され、約10分間の上映用DVDを制作した。

 物語に登場するのは、ハブやアマミノクロウサギ、マングースといった奄美の森にすむ生き物たち。ハブが壊してしまった満天の星々を、自分の毒を利用しながら森の仲間たちと作り直す過程を描いたもの。コンクールでは、「ストーリー展開が巧みで、(中略)自分の短所が長所になるハブの姿に読者は自分を重ね、生きることの素晴らしさを考えることでしょう」と講評された。

 片野田裕亮学芸主事(38)は「博物館としても生き物、自然、星などを紹介しているが、(「星と友達」は)その全てが詰まっている作品として、採用させていただいた」と語った。 

 この日森さんには、上映用DVDも贈呈されたほか、関係者らによる鑑賞会も行われた。