埋蔵文化財、触って観察

埋蔵文化財に触れながら縄文・弥生時代の歴史を学ぶ大和中1年生たち

大和中1年生 石器や土器など
縄文・弥生時代に理解

 県内で発掘された埋蔵文化財に触れながら古代の歴史を学ぶ「社会(歴史的分野)授業」が11日、大和村の大和中学校(抜水茂樹校長)であった。1年生の生徒7人が、実際に発掘された土器や石器を触って観察し、縄文・弥生時代などの先史文化や古い歴史に関心を高めた。

 霧島市国分上野原縄文の森にある県埋蔵文化財センターの貸出事業を活用。県内から出土した約9500年前から約2500年前頃までの石斧=せきふ=や磨石=すりいし=、鉢やつぼの欠片など、本物の埋蔵文化財計29点を教室に展示。資料写真も使いながら同校の福原誠也教諭が紹介した。

 県内で見つかった縄文土器の大部分の文様は、縄ではなく貝がらで描かれている。福原教諭は「鹿児島県で見つかる9割が貝がら文様。本当は貝がら文様土器と呼ぶべき」などと特長を説明。磨製石鏃=せきぞく=や石包丁などの弥生時代の遺物については、「文様も複雑、派手になっており、技術は進化している」などと解説した。

 生徒たちは、教室に並べられた本物の石器や土器を観察し、手に取っては手触りや重さを確認。道具や装飾品など用途を考えながら、当時の人々の暮らしぶりなどに思いを馳せた。

 岩元帆久斗君(12)は「本物を見て触るの初めてで、縄文時代の人たちはこんな生活をしていたんだと考えることができた。(教科書で見る縄文土器は)ダサいと思っていたけど実際は細かくできていて、貴重な体験ができた」と喜んだ。

 授業では特別貸出の青磁や白磁(11~17世紀)にも触れた。