命の大切さ伝える課外授業

オンライン交流の様子。中央で説明するのが泉二社長


講堂で反物の絵付けをする児童(銀座もとじ提供)

銀座もとじ 奄美とのオンライン交流も

 【東京】銀座で着物の専門店を展開する「銀座もとじ」(泉二=もとじ=)啓太社長)がこのほど、中央区立泰明小学校5年生(参加46人)を対象に「銀座の柳染め課外授業」を実施した。また、龍郷町立大勝小学校5年生(同14人)とのオンラインでの交流も行われ、海を越えた情報交換をしていた。

 「草木染めを通じて子どもたちに命の尊さを伝える」を目的に毎年行われてきた「銀座の柳染め課外授業」は26回目。今年も6月8日の「柳の剪定=せんてい=」、同15日の「銀座の柳の歴史の講話」と、2度の授業を経ての仕上げとなる「第3回目・柳の染め実習(ハンカチと正絹白生地)」を同29日に行ったもの。児童たちは反物の絵付けとハンカチの染めに臨んだ。空輸した奄美大島の泥と、泰明小の柳を元にした化学反応に歓声を上げ、奮闘していた。

 司会を務めた泉二社長は、自らも泰明小学校の卒業生とあって泥染めでの輪ゴムの使い方などを優しく、丁寧に説明していた。泉二弘明会長も「26年前は(泥染めに)銀座の湧き水を使った」と課外授業が始まった当初を振り返り、「大自然と大都会の児童が交流し学び合うのは、とても大切」。出身校でもある大勝小学校とのオンラインを、目を細め見守っていた。

 オンラインでは「ホテルに囲まれている。地下鉄に乗りたいと思った」「大自然がすごかった」などとそれぞれの小学校の印象を交換し合っていた。

 また、「どんな人がいて、自慢は」との銀座からの問いに「元気な人が多い。(自慢は)グラウンドが大きい」と奄美から返答があった。課外授業では第20回から、事前にそれぞれの地域の歴史や風土を紹介するビデオレターを作成、それらを基に1200㌔離れての友情が笑顔で交わされている。