大島紬技術専門学院入校式

織工指導員の栄夏代さん(右から3人目)と6人の入校生

6人が織の技術学ぶ
1300年の伝統継承

 大島紬の織技術者を養成する本場奄美大島紬技術専門学院(黒田康則校長)織布科の2023年度入校式が13日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。21歳から59歳までの6人が入校。約2年間機織りを学び、大島紬の技術と伝統を継承していく。

 入校式には、県大島支庁の新川康枝支庁長、安田壮平奄美市長、竹田泰典龍郷町長、㈱やまと・矢嶋孝行社長も出席。黒田校長は「大島紬は1300年以上続く伝統産業。先人から受け継がれた貴重な財産を受け継ぐ後継者育成は重要」と期待を述べた。

 竹田町長は「地域の基幹産業だった大島紬も、昨年度2960反となり状況は厳しい。島の宝を後世に残したい」と、入校生に思いを託した。 

 今年度入校したのは、大山絵里香さん(48)、平瀬理恵さん(59)、川節照美さん(54)、池田遥さん(28)、川名晴美さん(46)、福田笑理さん(21)。全員が大島紬を身にまとい出席、「一人で織り切れるように取り組む」(池田さん)と決意を新たにした。

 龍郷町嘉渡在住の平瀬さんは、平日は学院生活、週末は同町にある大島紬のテーマパークで働く忙しい毎日になるという。「別の養成所にもいたが、もっと難しい柄を織りたいと思い入校した」と話した。

 徳之島出身の池田さんは、1年半前までニュージーランドで働いていたという。「もともとデザイン関係の仕事をしていた。帰国にあたり、祖母が織っていたことを思い出し、クリエイティブな仕事がしたいと入校を決めた」と抱負を語った。

 同学院は、大島紬の反物を作る工程の機織り後継者の育成を目的に1980年に開校。これまでに456人の卒業生を輩出している。