「天城町マンゴー」を発進

自慢の特産果樹「天城町マンゴー」をアピールする森田弘光町長や園主の福田実さんら(13日、同町岡前)

品質良好 ふるさと納税返礼も一番人気
夏本番へ

 【徳之島】天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長・組合員29人)の「天城町マンゴー」出発式(町共催)が13日、同町岡前にある福田実さん(73)=同町松原=のマンゴー園であった。開花期(3月)の日照不足が着果量に影響し、前期並みの収量見込みだが「品質は良好」。県内〝草分け産地〟の自負を胸に38年、自慢の特産果樹の発進をアピールした。

 天城町でのマンゴー栽培は1985年、農家有志たちの栽培技術模索で始まった。町側は高収益型新規品目に位置づけて、耐風ビニールハウスなど生産基盤施設導入事業でテコ入れした。県内産マンゴーの先進地域として〝けん引役〟も果たしてきた。

 町農政課(町農業センター)によると、栽培品種の主体はアーウィン種(別名・アップルマンゴー)。町全体の栽培面積は約5・5㌶(約50戸)。うち熱帯果樹生産組合員たちの占める面積は約3・5㌶。今期産は開花期の日照不足気味で生産見込み量は前期並みの約27㌧。しかし梅雨時期は逆に晴れ間が広がって生育が促進され、収穫期ともに約1週間前進。登熟や玉伸び、果皮着色ともに「品質良好」と口をそろえる。

 出発式には生産農家たちをはじめ町行政や町議会、県、JA、輸送関連など関係者約70人が参加。作山組合長(60)の開会あいさつに続き、ベテラン園主の福田さんは、「マンゴー栽培を始めて27年。出発式(会場)もこれで2度目。3年前からは無農薬有機栽培に取り組んでいるが、作柄・品質は27年間で今年が最高。若いマンゴー農家も増えており、販路開拓なども一緒になって取り組みたい」ともアピール。

 森田弘光町長は「天城町のマンゴー出発式で〝夏が来た〟を実感。世界自然遺産に登録、コロナ禍も過ぎていろんな意味で徳之島が注目を集めている。おいしい天城町マンゴーの評価も勝ち取っていこう」などと期待を込めた。

 「同町ゆたかなふるさと寄付金」(ふるさと納税)で、マンゴーは一番人気の返礼品。報告によると、最大人気の同品目のみの実績は▽2021年度1006件・1073万円▽22年度299件・347万円▽23年度336件の予約(同日現在)があるという。

 来賓祝辞やテープカットなどに続き、郵便及び宅配業者による島外への出荷を拍手で見送った。収穫は今月下旬をピークに8月20日頃まで続く予定という。同町熱帯果樹生産組合(電話0997・85・4616)