「世界U-24アルティメット選手権」銀メダルを報告した日本代表の中江優由さん=14日、同町役場で
【徳之島】徳之島町亀津出身で、西九州大学4年生の中江優由(ゆうゆ)さん(21)=佐賀県在住=が九州から唯一、フライングディスク競技の女子日本代表メンバーに選ばれ、「WDF2023世界U-24アルティメット選手権大会」(2~8日、英・ノッティンガム)のウィメン(女子)部門に出場した。決勝で強豪米国に惜敗したものの、見事銀メダルを獲得。14日、古里の同町役場を表敬訪問して報告した。
アルティメットは1チーム7人制で、コート内(100㍍×37㍍)でフライングディスクを落とさずにパスして運び、コート両端のエンドゾーン内でディスクをキャッチすれば得点となるスポーツ。ディスクを正確に飛ばす技術、コート内を走る持久力が必要とされることから「アルティメット(究極)」の名が付いた。
中江さんは亀津小・中学校を通じて空手スポーツ少年団「敬空館亀津」で鍛え、学校ではテニス部とバレーボール部にも所属。徳之島高校空手道部では3年連続、形や組手で全国選抜大会出場も果たした。現在は管理栄養士の資格取得を目指し、西九州大健康栄養学部の4年生に在学している。
アルティメットとの出会いはサークルの先輩の勧め。魅力は「7人でディスクをつないで点数を取れた時が一番うれしい。日本代表の座は始めた時から目標にしていた」。大学のサークル「スパンキーズ」では女子主将も務め、部員13人をまとめる。
九州から唯一日本代表の座を射止めて挑んだ2年に1度の「世界U-24アルティメット選手権大会」。中江選手ら日本代表はウィメン部門(14チーム出場)で、予選リーグをGBRに15―2、AUTに15―3、ITAに15―3、SGPに15―3、PHIに15―1、COLに15―4、準々決勝はAUSに15―13で勝利した。準決勝もCANを15―5で破る快進撃。決勝では強豪USAに9―14で敗れ、力尽きたが、8勝1敗で堂々の銀メダルに輝いた。
「世界一を目指していた中での悔しさはあるが、世界の舞台で戦えたことはうれしい。2年後に再挑戦してリベンジを果たしたい」と中江さん。卒業後は管理栄養士として関東方面に就職するが、社会人として競技人生を継続して「世界選手権で金メダルを目指します」とにっこり。
報告を受けた幸野善治副町長は「初めて聞いた競技だったが、世界を目指した選手の存在を誇りに思う。お父さんも空手の選手。これからも力強く応援したい。世界的に活躍する選手の存在は町のPRにもなる」と目を細めていた。