映像・英訳で世界に動画配信

楽曲「奄美の島イモーレ」「ヨロンジマ」の動画編集に取り組んだ前田守さん(右)と重田和美さん

美しい自然、伝統文化、誠の島
「奄美の島イモーレ」「ヨロンジマ」

 東京在住の龍郷町出身者と娘が作った楽曲「奄美の島イモーレ」と「ヨロンジマ」が、映像と英訳付きでYouTube(ユーチューブ)により動画配信されている。美しい自然、継承されてきた伝統文化、与論の人々の人柄を示す「誠の島」を世界中の人に知ってもらい「奄美の島々にいらしてほしい」との願いを込めた。

 「奄美の島イモーレ」の作詞は佐藤文子さん、作曲は娘の金子奈保美さん、「ヨロンジマ」は詞、曲とも金子さんが手掛けた。高校生という女性(Momoco)が伸びやかで透き通るような声で2曲とも歌っている。歌詞の英訳者は、沖縄県出身で米国バージニア州在住のメドウズ邦江=くにえ=さん。

 同時通訳ができるメドウズさんの英訳は「難しい単語を使わず、童謡のように子どもたちにも分かりやすく」との工夫が施されている。この英訳と映像を付けて動画を編集したのは奄美ICT㈱代表の前田守さん(51)と映像クリエイターの重田和美さん(33)。昨年、佐藤さんから前田さんが相談を受けたのがきっかけ。YouTubeに動画投稿され今月から公開されているが、「奄美の島イモーレ」が3分48秒、「ヨロンジマ」が3分20秒で視聴できる。盛り込まれている映像は「イモーレ」の方は、前田さんが撮影していた素材を活用。おがみ山、名瀬港の風景から始まり季節の草花、代表的な観光地、大島紬、各地に伝わる伝統芸能や行事など個性豊かな文化を伝えている。

 佐藤さんの夫、金子さんの父の出身地である与論島を紹介する動画の映像は、日常の多忙な合間を縫って週末などに航空機で訪れ、島の風景や人々と触れ合いながら過ごし、再び航空機で離れると設定。始まりと終わりにはエメラルドグリーンの美しい海に浮かぶエンゼルフィッシュのような形をした島の空撮が登場する。フォトストックから入手した映像を重田さんが選び動画編集した。「与論島を訪れたことはないが、とても魅力的で一度は行きたいという気持ちになりながら作業に取り組んだ」と重田さん。

 前田さんは「英訳の完成を含めて1年間かけての作業となったが、分かりやすい英訳と楽曲に沿った映像によって、世界中の人々に喜んで視聴してもらえるような動画が出来上がったのではないか」と語り、動画配信後の反響を楽しみにしている。