せとうちシアター塾

開講式で塾生らに呼び掛ける脚本・演出の富岡忠文さん

12月の公演に向け開始
「感動した」と言ってもらえる舞台に

 奄美群島日本復帰70周年記念事業・2023年度せとうちシアター塾の開講式は22日、同町役場であった。塾生たちは「“見て良かった!”“感動した!”と言ってもらえる舞台を作り、やって良かったと思えるシアター塾にすることを誓います」と宣誓。12月の公演に向け活動を開始した。開講式後は、久伸博さんの講演「奄美群島日本復帰70周年を学ぶ」を視聴したほか、初稽古もあった。

 同塾は、アクティブラーニングとしての舞台づくりとして①主体性を持って学ぶ力②コミュニケーション能力と社会性③課題を見つける力と解決する力―を育むことが目的。また伝統芸能の宝庫である同町において、文化芸術分野での拠点を作ることを目的とした、文化庁文化芸術創造拠点形成事業にもなっている。

 昨年に続き、奄美市名瀬出身の映画監督・富岡忠文さんが脚本・演出。演目は「私たちの望むものは」。現代の瀬戸内町で生活する子どもたちが、戦争や終戦後米軍の統治下に置かれた島民の生活、無血の復帰を成し遂げた先人たちの努力や不屈の精神を知り、見詰め直す物語。今回は新たな挑戦として、映像を取り入れるとともに、同町と奄美市名瀬での2回の公演を予定している。

 富岡さんは「自分を面白がることから始め、みんなと思いを共有し、舞台を作っていこう」と呼び掛けた。

 兄妹で参加する千葉小遥=こはる=さん(嘉鉄小3年)は「昨年兄が参加し、舞台を見て感動した。自分も参加したいと思い初参加を決めた」と笑顔を見せた。

 昨年に続き参加する数原悠=はるか=さん(大島高1年)は「舞台が好きで、もう一度やりたいと思い参加を決めた。前回より良い舞台にしたい」と意気込みを語った。

 今月から毎週金、土曜日を中心に稽古し、9月に配役決定。12月17日に同町きゅら島交流館、同18日に奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民文化ホール)での公演を予定している。