夏祭りシーズン幕開け

圧倒的な強さを見せつけ連覇した「戸口行盛会」(手前)(23日=玉里漁港)

「龍郷ふるさと祭」
舟こぎ「戸口行盛会」「マヒマヒ」連覇

 奄美群島各地の夏祭りのトップを切って「第31回龍郷ふるさと祭」が23日開かれた。4年ぶりの通常開催。舟こぎ競争の会場となった玉里漁港は、午前9時の開会前から大勢の人で埋まり、出場する選手たちは輪になってチームを鼓舞し、集落ごとに張られた応援テントも次第に熱気を帯びていった。

 開会式で龍郷ふるさと祭協賛会会長の竹田泰典町長は「集落や職場のチームワークを発揮する場。声援やチヂンで選手を後押しして」とあいさつした。

 朝から空は曇り模様で雨の気配もあったが、港内は波もなくほぼ無風。舟こぎには絶好のコンディションとなった。

 舟こぎ競争は3部門に計60チーム(男子32、女子18、小学生10)が参加、力の限りヤホ(櫂)をこぎ、熱い戦いを繰り広げた。まっすぐ進むことができず〝迷走〟するチームもあり、会場は笑いと歓声に包まれた。

 男子の部は、前回優勝で第1シードの「戸口行盛会」が予選を余裕の展開で突破、勢いのまま決勝を制した。

 予選を終え、猪飼大輔さん(27)は「初戦は疲れた。これから調子を取り戻す」、紅一点の武島杏夏さん(26)も「前半は接戦になり少し焦った。調子が出るのはこれから」と話していた通りの結果となった。

 女子は、黒い大きな手袋で統一した「マヒマヒ」が連覇。日高とみかさん(40)は「本番で初めてメンバーがそろった」と不安をのぞかせていたが、接戦を勝ち抜いた。

 夕方からは町中央グラウンド特設ステージで芸能大会・八月踊り、午後8時半からは約1300発の花火が夜空に咲いた。